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 ひょうご労働安全衛生センタートピックス 2009-03-01 通院費の取り扱いが改正
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 厚生労働省は2008年10月30日付け基発第1030001号によって、労災保険の療養(補償)給付の対象となる「移送」のうち「通院」の取り扱いを全面的に見直した。
見直しの要点を同省は、従来、住居地または勤務地から片道2km以上(超)4km以内の労災指定医療機関等への通院を基本とし、例外的に4kmを超えて認める場合も同一または隣接市町村内を原則としていた「制限を緩和した」、「垣根を取り払った」ものと説明している。


◆4km等の垣根を取り払った?
 新通達は、実際には以下のように記している。
@ 住居地または勤務地と同一市町村内の労災指定医療機関等への通院(片道2km以上)
A 同一市町村内に診療に適した労災指定医療機関等が存在しない場合、または、交通事情等から相対的に利便性が高いと認められる場合、隣接市町村内の労災指定医療機関等への通院(同前)
B 同一・隣接市町村内に診療に適した労災指定医療機関等が存在しない場合、最寄りの労災指定医療機関等への通院(同前)
C 傷病の症状の状態からみて、交通機関を利用しなければ通院することが著しく困難と認められる場合の、片道2km未満の労災指定医療機関等へ通院
D 労働基準監督署長が受診勧告した労災指定医療機関等への通院

たしかに、「4km以内」あるいは「原則隣接市町村の範囲を限度」の文言が姿を消したという点では緩和であろう。
しかし一方で、「当該傷病の診療に適した」の判断如何では、結局、同一市町村内に原則限定されてしまうのではないかという懸念も残る。
 昭和59年補償課長事務連絡では、「『当該傷病の診療に適した指定医療機関』かどうかを判断するに当たっては、単に内科、外科等の標榜している診療科目にとらわれることなく、診療機器・設備内容等傷病労働者の診療に支障を来たさない体制が確保されているか等を勘案すること」とされていたものが、今回の新通達に合わせて発出された補償課長通達では、「原則として、標榜している診療科目により、判断して差し支えないこと」とされていることなども懸念材料である。


◆患者と家族の会が緊急要請
 しかも、2008年補償課長通達では、平成17年10月3日付け基労補発第1031001号「中皮腫の診療のための通院費の支給について」も廃止するとされている。
後者は、クボタ・ショックの後にわざわざ大阪労働局に出向いて患者・家族から直接話を聞いた、当時の尾辻秀久厚生労働大臣の直々の指示によって、「4kmを超えても専門医のいる病院、あるいは、患者の納得できる病院への通院費をただちに支払うようにする」ということで出されたものである。大臣が患者・家族と会ったのが10月16日、通達発出が10月31日という異例の迅速な対処だった。
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会は2008年12月18日付けで、大阪労働局で尾辻大臣と面談した中村實寛・現会長の名前で、厚生労働省補償課長に対して要請書を送った。


◆中皮腫通院費の新事務連絡
 2009年1月15日に阿部知子衆議院議員事務所のお世話で、患者と家族の会の代表5名が厚生労働省の担当者から説明を受けた。
省側の説明は、「制限を緩和した」 、「垣根を取り払った」というものではあったが、会の要請を受けて新たに事務連絡を発出することになった。
ここでは、「従来どおり」を念押しするとともに、厚生労働本省への協議を必要とせずに、全国を7つに分割した区域外への通院費を認めることができることも特記された。


◆全労災職業病―All Japan
 厚生労働省の説明では、新通達は、@中皮腫だけでなくすべての労災職業病を対象としていること、A4km、同一・隣接市町村、全国7分割区域などの限定を外して「All Japan」―全国どこであっても通院費の支給を可能にしたものだということが力説されている。
とにもかくにも大いに通院費の支給請求を行って、現場での運用を監視しよう。厚生労働省もリーフレットをつくる予定というが、これまで2km以上4km以内の制限や通院費が支給されることを知らずに、請求を控えていた事例は多いと思われる。
 これまでは、どこの医療機関で診療を受けるかは患者の勝手(=医師選択は自由)であるが、通院費を支給するかどうかは役所の勝手(通達の範囲内に限定)という言い方がされてきたわけであるが、「労災職業病の診療に適した医療機関」の中味について役所と一歩進んだ議論をする機会とすべきだろう。
また、非労災指定医療機関への通院の取り扱いについても、「労災指定医療機関等に係る通院費に準じて取り扱うものとする」とされていることにも留意されたい。

           (全国労働安全衛生センター 「安全センター情報2009年3月号」より抜粋)

 

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