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 ひょうご労働安全衛生センタートピックス 2009-08-06 石綿ばく露 特別加入者の給付基礎日額に関する事務連絡
アスベスト・メンタルヘルス・長時間労働・労災・職業病

 


 労災保険制度は、労働者が病気や怪我に遭った時に被る損失を補填するために設けられたもので、労働者は強制加入となっています。また、労働者でなくても、零細企業の社長や一人親方などについても、任意加入で労災保険に特別に加入することができるようになっています。その保険料は、給付基礎日額に応じ定められています。
 厚生労働省は、特別加入したアスベスト(石綿)被害者への補償額が、未加入の場合に比べ激減するケースが多発しているなかで、作業実態をみた上で申請者に不利になる場合は改善するよう全国の労働局に通知しました。
 また、横浜地裁は、石綿で肺がんになった被災者が特別加入の適用により補償を大幅減額されたのを不服として提訴した裁判で、7月30日に労基署の処分取り消しを命じました。その後、国は控訴を断念し、判決が確定しています。

   この事務連絡に則り、速やかな見直しが求められています。
 
  ※以下、参考資料となります。
 
アスベスト・メンタルヘルス・長時間労働・労災・職業病
 

事 務 連 絡
平成21年8月6日

都道府県労働局労災補償課長殿

厚生労働省労働基準局労災補償部
補償課長補佐(業務担当)

労働者としての石綿ばく露期間のある特別加入者の給付基礎日額の取扱いについて

 労働者災害補償保険法第8条の規定に基づく給付基礎日額のうち、業務上疾病に係る給付基礎日額の算定に当たっては「業務上疾病にかかった労働者に係る平均賃金の算定について」(昭和50年9月28日付け基発第556号) 等により、最終の石綿ばく露作業を行った事業の保険関係及び当該事業に係る給付基礎日額をもって保険給付を行うこととしているところであるが、この取扱いについて、改めて下記に留意の上、当該事務処理の徹底を図られたい。


 労働者としての石綿ばく露期間がある特別加入者であって、石綿関連疾患にり患している者(当該石綿関連疾患により死亡した者を含む)のうち、特別加入していた期間における石綿ばく露作業が、それ以前の作業内容と異なり極めて軽微な石綿ばく露作業である一方、労働者期間における石綿ばく露作業が石綿関連疾患にり患する恐れの高い作業であったと認められるなど、当該特別加入期間における保険関係、給付基礎日韻をもって保険給付を行うことが明らかに不合理な場合については、当該特別加入期間以前において、石綿ばく露作業に従事した最終の事業場の保険関係及び給付基礎日額をもって保険給付を行うこと。
 また、見直しにより不利益変更になる場合を除き、当該事務処理の徹底及び見直しを検討されたい。
なお、当該事務処理に疑義がある場合については、 本省補償課業務係あて協議されたい。


(参考)

 平成20年8月18日労働保険審査会裁決(労働者としての石綿ぼく露期間のある特別加入者の給付基礎日額)について

1 事案の概要
 被災者は、昭和39年10月から平成18年11月までの間、ガス管・水道管の埋設・交換工事現場において、管を切断・研磨する作業に、労働者又は一人親方(平成6年1月21日以降、平成11年12月から建設業の一人親方として特別加入) として従事していたが、平成13年11月に「悪性胸膜中皮腫」と診断きれ、労災保険を受給していたが、療養中の平成17年7月18日に死亡した。
 監督署長は、当該死亡が業務上によるものとして、遺族補償給付の支給決定を行い、特別加入者として昇任した給付基礎日額3,500 円にスライド率を乗じて得た3,465円を給付基礎日額として保険給付を行ったところ、請求人は当該給付基礎日額を不服としたもの。

2 裁決の概要
@ 被災者は、昭和39年10月から平成18年11月までの間、ガス管・水道管の埋設・交換工事現場において管を切断・研磨する作業に、労働者又は一人親方として従事していた。
A 被災者の労働者期間における石綿ぼく露作業は、ガス管・水道管の埋設・交換工事現場において管を切断・研磨する作業の祭、養生用に石綿布を使用していたものであるが、養生用の石綿布の使用については、少なくとも平成に入ってからは、代替品による作業に変わっており、現場の作業において石綿布の使用を見かけなくなっていた。
B 被災者の特別加入期間である平成6年1月21日以降の作業については、ガス管の埋設・交換工事において使用される管の養生用シートについては、上記Aのとおり、既に石綿布の代替品であるクロスカーボンが使用されていたものであるが、管の保護用に以前使われていた石綿布が使用されていたことから、既設管の改修工事の際、この石綿布をはがす時に石綿にばく露した可能性は否定できないが、その量はそれ以前と比較して極めて軽微なものであったと考えられる。
C 以上から、最終ぼく露事業揚は一人親方とみるのではなく、労働者として従事していた事業場とみるのが相当。

D したがって、被災者は、悪性胸膜中皮踵の発生のおそれのある作業に従事した最終事業場を平成5年1月20日に離職していることから、平均賃金は、同日以前3ヵ月間に支払われた賃金により算定した全額を基礎として算定すべきである。


 

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