4月6日、厚生労働省は、仕事を原因とするうつ病などの精神疾患や自殺の労災認定基準を10年ぶりに見直すことを決め、各労働局に通知しました。
私たちは、これまでから精神疾患の労災認定基準、いわゆる「判断指針」については、抜本的な改正が必要であると指摘してきました。今回検討が進められてきた心理的負荷表についても、全国労働安全衛生センター連絡会議として意見書を提出し、改善を求めてきました。
精神疾患による労災認定は、ストレスの強い順にV、U、Tの3段階で判断されます。今回の改正で、強度Vの項目に「ひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」が新設され、これまで明確な基準がなかったパワハラによる精神疾患について判断基準が示されました。また、会社の合併や成果主義の採用、効率化など働く環境の変化を念頭に、ストレスの要因となる職場の出来事として「違法行為を強要された」「仕事で多額の損失を出した」など12項目が追加され、2009年度からの認定審査に反映されます。
しかし、心理的負荷表には曖昧な記述が多いことや、一つ一つのストレスを個別に評価する結果「Uがいくつあっても、絶対に『強』にはならない」等の問題点は放置されたままです。 |