昨年来、全国各地で、再生砕石からアスベスト建材の破片が多数発見されており、マスコミでも報道されています。再生砕石にアスベスト建材が混入するのは、解体現場で建築廃材の分別解体が徹底されておらず、石綿などの有害廃棄物が廃棄物処理施設などで処理されていることが原因と考えます。
神戸市は2月9日に「安全宣言」を行いましたが、アスベスト建材が混入した再生砕石が公園や道路等の市民生活に近い場所で使用されていることは事実であり、至急に対策を講じることが求められています。当センターで採取した砕石からは、繊維束が表面に露出しているものもあり、手で触れると空気中に飛散する可能性が高いからです。
そこで、2月22日、神戸市長あてに、下記の点について要望書を提出しました。「検討されて欲しい」との項目もありましたので、神戸市からの回答をいただき次第、あらためて報告させていただきます。
◆「再生砕石へのアスベスト含有建材混入に係る調査結果について」(平成23年2月9日付け発表、以下「調査結果」という)に関して
1. アスベスト含有が疑われる建材の混入状況調査に関して、事前に石綿混入再生砕石を見分ける講習が行われたのでしょうか。調査に当たり、どのような点に気を付けサンプリングされたのでしょうか。説明をお願いします。
2. 6施設6箇所より発見された「繊維状物質」について、顕微鏡調査により判明したアスベストの種類について説明をお願いします。
3. 大気飛散状況調査に関して、6施設毎の調査実施期間、調査方法について説明をお願いします。
◆当センターが調査・分析したところ、調査結果で公表された6施設以外の5箇所(@灘区・石屋川遊歩道、A中央区・筒井公園、B中央区・防災公園、C長田区・千歳公園、D長田区・若松町)からアスベスト含有建材が見つかりました。この5箇所について、アスベスト含有が疑われる建材の混入状況調査は行われたのでしょうか。
◆当センターで採取した砕石からは、繊維束が表面に露出しており、手で触れると空気中に飛散する可能性の高いものがあります。
公園や道路等の市民生活に近い場所に混入しているアスベスト含有建材について、市民の安全と安心を確保するため、今後どのような対策を検討されているのか説明をお願いします。
◆廃棄物処理施設及び解体工事現場への定期的な立入調査を実施し、分別解体の徹底と石綿建材の混入防止について徹底的な指導を行われるよう要望します。
◆ 再生砕石の写真

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