10月27日から28日にかけて、全国労働安全衛生センター連絡会議の第23回総会が岡山市で開催されました。
オープニングの基調講演では、まず過労死弁護団全国連絡会議の代表幹事・松丸正弁護士から
「過労死裁判を通して見えてくる労働現場の課題」について報告がありました。
松丸先生は、具体的な事例を紹介しながら、2011年に精神疾患の認定基準が「指針」から「基準」に変わったが、
根本的な構造つまり大企業の長時間労働やそれを法的に許容する厚労省の姿勢は何も変わっていないと厳しく指摘しました。
続いて関西労働者安全センターの片岡明彦事務局長から、
「胆管がん問題」についての特別報告がありました。被災者の健康状態と、
危険な有機溶剤を防護マスクもせず大量に使用している労働現場の実態を紹介しながら、
「これはまさしく『第2のアスベスト問題』になる可能性が高い」と語り、
「今後も予防対策、被害者への補償問題などに取り組んでいかなければならない」と結ばれました。
その後、アスベストとメンタルヘルスの分科会が開催され、石綿肺がんと精神疾患の労災認定基準の改正について検証が行われました。
2日目は、津田敏秀氏(岡山大学院教授)から「放射線曝露による人体影響」、
奥津弁護士から「岡山におけるアスベスト裁判の現状」、
イム・サンヒョク氏(韓国・緑色病院労働環境健康研究所)より「韓国の労働災害の現状」、
高知県の勤労クリニック・近藤真一医師からは振動病の行政訴訟の動きが報告されました。
総会では、天明佳臣議長に代わり、新しく平野敏夫氏(東京労働安全衛生センター)が新議長に選任されました。
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