昨年、大阪府立金岡高等学校の耐震改修工事において、アスベスト対策が採られないままの工事が行われたことが判明しました。アスベスト粉じんを校内に発生させ、生徒たちや近隣住民の方々のアスベスト粉じんばく露が疑われています。この件は今年に入り、大阪府教育委員会が第三者協議会を設置し、大きな問題に発展しております。
この金岡高等学校の貴重な経験は、工事が始まる前に第三者を含むリスクコミュニケーションを形成し、アスベスト対策工事を工事業者に任せず、被害にあう可能性のある学校当事者や近隣住民が工事内容を正しく理解し、工事を監視していくことの重要性を教えています。
今年夏休み中に、伊丹市において石綿対策工事が実施されるとの情報がありました。7月26日、伊丹市に対して、リスクコミュニケーションの形成による安全な石綿対策工事が行われますよう、各発注工事の概要のご説明と、専門家による工事現場の確認が行われることを求め、アスベストセンターと連名で要請書を提出しました。
その結果、8月19日に伊丹市との話し合いの場が持たれました。アスベストセンターからは、今後のアスベスト除去工事において、施設利用者や近隣住民との間のリスクコミュニケーションの重要性を指摘。市からは、「学校の除去工事の際には、学校を通して保護者にアスベスト工事が行われる旨通知をしている」「近隣住民の方へも、直接通知を行っている」との回答がありました。
アスベスト問題に関して、今後も各自治体の動きを注視していきます。
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