2011年7月1日から小野市で「いじめ等相談員」として勤務していた非常勤職員が、管理職によるパワーハラスメントを受けたうえ、任用期間終了を理由に2015年3月31日に雇止めされたとして、小野市を相手取り再任用と損害賠償を求めて神戸地裁へ提訴しました(2015年6月2日)。
雇止めされたAさんは、住民からの相談をうける「いじめ等相談員」として2011年から働いてきました。Aさんは、県や他市での経験も含めるとキャリア20年のベテランであり、県の相談業務を担っていた時に、小野市の担当課長から請われ、働くことになりました。
パワハラが始まったのは上司が2014年4月に着任して以降です。上司は相談員らに対して大声で怒鳴ったり、無視や業務に必要な連絡や説明をしないなどの嫌がらせを繰り返しました。
Aさんは同僚とともに、所属の管理職に相談しても全く解決されず、人事当局に対してパワハラの改善を訴えました。しかし、人事当局は、Aさんらの話しは聞くものの、具体的な対応を取ることはありませんでした。小野市のパワハラについての見解は、「管理職の業務の範囲内」です。しかし、大声をあげることは管理職の業務ではなく、明らかに人権侵害行為であり許されるものではありません。
小野市は全国に先駆けて2007年に「いじめ等防止条例」を策定しました。条例では、子どものいじめだけでなく、職場のパワハラについても対象としています。相談員を配置し、基幹業務として実施しており、その部署でパワハラが行われ、対策を講じられなかったことは大きな問題といえます。
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