6月19日、厚生労働省は平成26年度分の「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」を公表した。石綿関連疾患(肺がん、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚)の労災保険請求は1,095件で、支給決定件数は1,002件であった。石綿肺については支給決定件数のみの公表で、77件であった。また、石綿救済法に基づく特別遺族給付金に関する請求件数は33件で、支給決定件数は20件であった。
疾病別にみると、中皮腫の支給決定件数は528件、肺がん390件となっている。平成25年度の中皮腫による死亡者数1410名を分母に計算すると、労災認定率は40%に達していない。石綿肺がんの患者数は中皮腫の2倍と言われており、2820名を分母として計算すると石綿肺がんの労災認定率は15%にも達していない。
兵庫県の場合は、請求件数が72件で支給決定件数は80件。疾病別にみると肺がん27件、中皮腫46件、良性石綿胸水3件、びまん性胸膜肥厚4件。石綿肺は1件であった。石綿救済法に基づく特別遺族給付金は、肺がん1件、中皮腫1件であった。
また6月25日、厚生労働省は平成26年度「過労死等の労災補償状況」を公表した。 脳・心臓疾患の請求件数は763件で、支給決定件数は277件(認定率43.5%)。精神障害の請求件数は1456件で、支給決定件数は497件(認定率38.0%)であった。大きな特徴は、精神障害の労災請求件数と支給決定件数が、ともに過去最多に上ったことである。
兵庫県の場合は、脳血管疾患の請求件数は24件、
決定件数18件で支給決定件数は7件(認定率36.8%)。
虚血性心疾患等の請求件数は7件、決定件数8件で支給決定件数は2件(認定率25%)。精神障害の請求件数は83件、決定件数68件で支給決定件数は31件(認定率46%)となっている。
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