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地震・石綿・マスク支援プロジェクト

震災とアスベスト対策を考えるシンポジウムin熊本

2017/04/21
4月21日に熊本市国際交流会館で行われた「震災とアスベスト対策を考えるシンポジウム一阪神大震災、東日本大震災そして熊本地震」に参加しました。
4月21日のお昼すぎに熊本に到着。車に乗り、熊本市東区戸島に設けられた震災ガレキの仮置き場へ移動し視察。熊本駅から車で東方向に30~40分位の所です。広大な仮置き場にはガレキを種んだ大型トラックがひっきりなしに人ってきていました。ガレキの分別は木くず・畳…などと、場所がキチンと区分けされていました。アスベストが含まれる建材は、見えない別の場所で仕分けされているようです。高い塀で仕切り遮ってはあるものの、とても埃っぽかったです。
さらに車で東に進んで、益城町の激震地域へ。かなり更地が目立っていましたが、電柱が斜めになっていたり、地面の高さがずれていたり、一見被害がなさそうな家も裏半分が崩れたりしていました。そばを流れる美しい小川のはたには、瓦礫の入った黒い大きな袋がはるか向こうまでぎっしり並んでいました。そして、驚くべきは、手つかずの崩れたままの家屋に近づくと、アスベストが無数に飛び出している建材の破片がいとも簡単に見つかりました。その周りにはなんの注意書きもありません。
この後に行った益城町の瓦礫処理場には囲いもなく、何台ものパワーショベルが動き回っていました。その場所からそう遠くないところで、町の人たちが普通にテニスをしていました。近所にあった復典屋台で働くアルバイトのお姉さんにアスベストの話をしても、ピンときていない様子でした。
熊本市内に戻り、18時すぎ、熊本城近くの会場でシンポジウムが始まりました。その中
で、阪神淡路大震災での経験を熊本のみなさんにお話させていただきました。
まず、明石市職員労働組合から、阪神淡路大震災の際にガレキやごみの収集・運搬業務に従事しアスベストにばく露した労働実態と、中皮腫を発症した同僚の公務災害認定闘争の取り組みが報告されました。
家族会世話人の山口さんからは、闘病を頑張られたお父さまのことと労災認定に時間がかかり過ぎるとの間題提起がされました。私は、父の発病と震災の関連性について報告しました。
宝塚市在住のNさんからは、40日間アルバイトで瓦礫撤去作業をし、中皮腫になられたご主人の悔しい気持ちが代弁されました。そして、「家庭で、子どもたちも交えて、アスベストの怖さについてぜひ話し合ってほしい」と訴えられました。会場に来られたご遺
族の方々との新しい出会いもありました。
次の日、自宅に戻りテレビをつけると「熊本地震から1年が過ぎ、今日でボランティア解散」というニュースが流れてきました。「50~60回は来ました」「困っている人たちの役に立ちたくて…」、と沢山の方が最後の瓦礫撤去をされていました。しかし、ほとんどの方がマスクを付けていませんでした。心やさしい方たちの健康がどうか守られますように、と祈らずにはいられませんでした。
これからも震災とアスベスト被害について、みんなで声を上げ続けていきたいと思います。