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中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会

アスベスト患者と家族の会ひょうご支部 8周年の集い

2013/11/20
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会ひょうご支部が設立8周年を迎え、1014日に神戸市勤労会館多目的ホールにて8周年の集いが開かれました。マスコミ報道を見られた一般の方々が多く80名以上の参加者でした。


◆東北へ―目の当たりにした震災被害

神戸大学の大学院生Oさんから「震災とアスベスト―東日本大震災から3年を迎えた被災地の今」についてスピーチがありました。神戸大学倫理創成プロジェクトのメンバーは、昨年6月に石巻、今年8月には石巻・女川・南三陸の被災地を訪れアスベスト被害の調査をされています。被災地調査報告では震災直後に、瞬く間に津波が迫る様子を1分刻みの写真を示しながら人気マンガの「北斗の拳の世界みたい」と説明され、リアルな状況を目のあたりにしました。

余りにも現実離れした状況を、現実として受け入れられないほどの悲惨な体験をされた被災者の中には、計算や文字が書けなくなった方もおられると話され胸が痛くなりました。被災地では目の前の復興や日常生活を取り戻すことに追われて、何十年もの潜伏期間のあるアスベスト飛散までは考えが及ばない方が多いように思うと話されました。


◆父、藤本義一はなぜ、アスベストに倒れたのか

直木賞作家の藤本義一さんが、昨年10月に中皮腫で亡くなられてから1年になろうとしています。家族会会員の長女の中田有子さんは、中皮腫発症の経緯をに調査されています。大阪堺市の自宅近くには、石綿関連の事業所が数か所もあり、石綿を運搬した麻袋をカーペットの裏地に仕立て直す工場があったこともわかりました。

藤本義一さんは、脚本も多く書かれ、大学時代には宝塚映画製作所に出入りされていました。今回、そこの美術スタッフの方と出会い、「舞台セットをばらす時には真っ白な埃が舞っていた」と話されたそうです。この方も中皮腫で治療中とのことです。

その後は西宮にお住まいを移されました。95年の阪神淡路大震災の時には、被災地で震災孤児を救おうと走り回っておられました。倒壊現場も回られておりその時に石綿含有の粉じんを吸われたかもしれません。

私たちが知らないご家庭での父としての顔を紹介しながら、ユーモアを交えて話されました。闘病の話に及ぶと時折涙ぐまれ「特別な病気だと思っていたが、恩師も中皮腫だったことがわかり驚いています。よく調べてみると身の回りに石綿が存在している。多くの人に関心を持っていただきたい」と締めくくられました。


◆ピアノ演奏が参加者を勇気づけた

家族会会員のMさんのピアノ演奏が参加者を勇気づけました。希望を持って生きて行ってほしい。また、これからの子どもたちのためにもノンアスベストの世界を築いていかないといけないとの思いを込めて演奏された「kibounohikari」と「so wonderful world」は、ご自身の作曲です。最後には会場80人全員で合唱して心をひとつにした会となりました。

一般の方々が多く来られ、孤独に一人で闘病を送られている方もおられます。心強い、相談出来るところがなかったと声が寄せられました。より一層、世間に認知される活動をする会にしていかないとなりません。
 

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