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私たちは、港湾荷役作業が本来の仕事ですが、現在は石綿の輸入が禁止ですので、ほとんどの人が石綿作業をしていません。阪神大震災当時、港湾施設が壊滅的打撃を受けて、他港への出向を余儀なくされました。また、震災で発生した市街地からのガレキを、ポートアイランドの二期処分地で分別・破砕・粉砕・焼却する作業でした。それには10数人が従事しました。多くは建築物の廃材で、粉じんは50メートル程はなれた現場事務所の食堂の机の上も真っ白になるほどでした。3年前にも3人が交付申請を行い、2名に石綿手帳が交付されました。その時1名は1年の交付要件に3ヵ月足りないとして不交付になりました。他にもまだ、6ヵ月から11ヵ月半働いた人が6名います。その人達は今の交付要件では申請ができないのです。今回の2名も、1年に満たないことから、過去の港湾荷役や造船での従事歴を合算しての申請になりました。
このたび、震災ガレキの撤去作業に2ヵ月間従事したことで、労基署は肺がんとの因果関係を認めました。ガンの早期発見のために法制化された健康管理手帳に「石綿」が取り入れられたのは、平成8年のことです。後手後手の国のアスベスト対策ですが、健康管理制度をどれだけの人が知っているでしょうか。本人が交付申請をしなければ、交付されないという現実も矛盾しています。名実ともに健康管理手帳となるよう強く要望するとともに、真の健康管理ができるようにならなければなりません。
同時に、労働局への健康管理手帳交付要件の見直しを要請しました。①胸膜肥厚や不整形陰影の病変は問わず、作業従事歴のみで交付すること。②阪神大震災の震災復旧作業2ヵ月で中皮腫が発症していることを考えるとき、従事期間「1年以上」を手帳交付要件とするのはおかしい。1年以上条項は撤廃されるべきです。③「初めて石綿等の粉じんばく露した日から10年以上を経過していること」を交付要件にしているはおかしい。10年以上条項は撤廃されるべきです。
また、震災後のガレキ解体、撤去作業で、石綿健康管理手帳が交付されることを広く知らせるべきです。ずさんな管理のもとに使われ続けたアスベスト、いま撤去作業においても同じ過ちが繰り返えされようとしています。