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労災事故・障害補償・審査請求
休業補償の打ち切り3週間後に再発で労災認定
2011/09/20
ブラジル人のAさん。
2007
年
6
月
5
日、機械部品を溶接するためドラム缶を足場として用いて作業を始めたところ、ドラム缶の中に溶接の火花が入り爆発し、Aさんは約
2
メートル吹き飛ばされたのであった。すぐに病院に搬送され、「右橈骨遠位端骨折」「右膝蓋骨骨折」「左脛骨開放骨折」「左腓骨開放骨折」「右手関節骨折」「左母指骨折」「右膝前十字靭帯断裂」との診断を受け、手術・治療が行われた。大事故である。
そこで、労災の手続きを行ったのであるが、Aさんの事故からしばらくして会社の社長は行方不明となったのである。そのため、困っていたAさんを労働組合武庫川ユニオンが支援し、労災補償を受けながら治療とリハビリが続けられたのであった。
しかし、
2010
年の年明け頃から、休業補償の打ち切りに関する打診が行われ始めたのであった。その頃のAさんは、右膝の痛みが続いており、和式のトイレを使用することができず、サポーターを使用せざるを得ない状態であった。さらに、右手首にも痛みがあり、湿布をし
3
種類のサポーターを使って対処している状態であった。こうした状態でありながら、大津署は
2010
年
7
月末日を以て症状固定と判断したのであった。
その後、障害が残存するとして障害補償給付の請求を行い、「右手関節」の可動域と疼痛、「左下腿部」の疼痛に障害が認められるとして、障害等級併合第
11
級に該当するとされたのであった。
障害認定の際に局医は、Aさんの体に触れることなく、自分自身で手足を動かすように言っただけであったという。普段温厚なAさんだが、この時の出来事を話す際は「人間扱いされなかった。動物の様に扱われてとても悔しかった」と言葉が鋭くなる。
そのため、障害等級の不服申立を行うこととなり、センターとしてはその時からAさんとの関係が始まったのである。右手関節と右膝関節の可動域に関して、局医の意見に疑問があったため主治医との面談を行った。すると主治医は、右手関節に関しては何ら処置を行っておらず、手術をすることにより改善の見込みがあるというのである。『なぜ、そんな大切なことを監督署に言わないのか』と内心穏やかではなかったが、協力を求め「再発」の申請を行ったのである。
障害等級に関しては第
11
級から変更されることはなかったが、「再発」に関しては認められたのであった。しかも、
2010
年
8
月
23
日からという決定であった。大津署が症状固定と判断した約
3
週間後から、同じ署が「再発」の決定を行ったのである。いかに乱暴な打ち切りであったかが伺える。また、外国人労働者にとっては、言葉や文化、法の違いにより、医師や監督署の担当官との緻密なコミュニュケーションをとることは困難を伴う。だからこそ労働行政はより慎重に対応する必要があると考える。
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そこで、労災の手続きを行ったのであるが、Aさんの事故からしばらくして会社の社長は行方不明となったのである。そのため、困っていたAさんを労働組合武庫川ユニオンが支援し、労災補償を受けながら治療とリハビリが続けられたのであった。
しかし、2010年の年明け頃から、休業補償の打ち切りに関する打診が行われ始めたのであった。その頃のAさんは、右膝の痛みが続いており、和式のトイレを使用することができず、サポーターを使用せざるを得ない状態であった。さらに、右手首にも痛みがあり、湿布をし3種類のサポーターを使って対処している状態であった。こうした状態でありながら、大津署は2010年7月末日を以て症状固定と判断したのであった。
その後、障害が残存するとして障害補償給付の請求を行い、「右手関節」の可動域と疼痛、「左下腿部」の疼痛に障害が認められるとして、障害等級併合第11級に該当するとされたのであった。
障害認定の際に局医は、Aさんの体に触れることなく、自分自身で手足を動かすように言っただけであったという。普段温厚なAさんだが、この時の出来事を話す際は「人間扱いされなかった。動物の様に扱われてとても悔しかった」と言葉が鋭くなる。
そのため、障害等級の不服申立を行うこととなり、センターとしてはその時からAさんとの関係が始まったのである。右手関節と右膝関節の可動域に関して、局医の意見に疑問があったため主治医との面談を行った。すると主治医は、右手関節に関しては何ら処置を行っておらず、手術をすることにより改善の見込みがあるというのである。『なぜ、そんな大切なことを監督署に言わないのか』と内心穏やかではなかったが、協力を求め「再発」の申請を行ったのである。
障害等級に関しては第11級から変更されることはなかったが、「再発」に関しては認められたのであった。しかも、2010年8月23日からという決定であった。大津署が症状固定と判断した約3週間後から、同じ署が「再発」の決定を行ったのである。いかに乱暴な打ち切りであったかが伺える。また、外国人労働者にとっては、言葉や文化、法の違いにより、医師や監督署の担当官との緻密なコミュニュケーションをとることは困難を伴う。だからこそ労働行政はより慎重に対応する必要があると考える。