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アスベスト新法施行2周年のとりくみ

2008/04/20
◆新法の見直しを求めて全国集会を開催

320日、東京全水道会館で「石綿健康被害救済法の見直しを求める集会・シンポジウム」が開催された。

石綿健康被害救済法が2006327日に施行されてから2年が経過するなか、石綿新法で認定された遺族への救済給付調整金が2008326日で打ち切られる。労災時効が成立してしまっている場合の救済が2009326日で打ち切られる。こうしたことから、緊急に石綿健康被害救済法の見直しを求めるため開催された。集会では第一部として「アスベスト被害補償のあり方を考える」がおこなわれた。

東京経済大学経済学部准教授の除本理史氏は、国は従来の汚染者負担原則の考え方から脱却し、被害発生への構造的な責任ある関与を認めアスベスト被害補償の財源を拠出すべきだ。

一橋大学大学院経済学研究科講師の山下英俊氏は、現在の給付水準は他の制度との公平性の観点から見て妥当ではない。少なくとも現在の二倍程度、出来ればそれ以上の給付が適切だ。

立命館大学アスベスト問題研究会の南慎二郎氏は、フランスのアスベスト被害者補償特別基金(FIVA)の財源は国が約一割拠出し、労働災害・職業病部門の基金から約九割が拠出されている。対象疾患も中皮腫・石綿肺・胸膜プラーク・びまん性胸膜肥厚・肺がんとほぼ網羅されている。

関西労働者安全センター事務局次長の片岡明彦氏は、北イタリアのカザーレという町で尼崎とよく似たアスベスト公害が起きており、2001年には英文の論文が発表されていた。アスベスト問題は世界的問題だ。とそれぞれからの問題提起や報告を受けた。

こうした意見を受け、第二部では「アスベスト健康被害救済法の見直しを求める」として、石綿対策全国連絡会議事務局長の古谷杉郎氏は「アスベスト被害の検証ができていないのに様々な補償が打ち切られようとしている。石綿健康被害救済法の見直しを急ぎ、すべてのアスベスト被害者とその家族に隙間のない公正な補償とアスベスト基本法の策定を実現させよう」と訴えた。

シンポジウムの後、尼崎クボタの環境ばく露、大阪・泉南、埼玉・土建労働者、奈良・ニチアス、岐阜・ニチアス、国鉄石綿裁判などの集会に参加した患者・家族の方々、各地で裁判をおこして闘っている原告の方々からの報告を受けた。ひょうご安全センターからは4 人、全体で200人が参加した。

 

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