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労災職業病・安全衛生の取り組み
アスベスト健康被害相談会を開催 岡山
2007/09/20
◆岡山市奉還町
8
月
25
日、初めての岡山。きびだんご、桃太郎…後楽園…隣の県なのに、恐ろしいほど貧困な知識だ。「ママカリもありますよ。そしてマスカットも。高級品です。」ボランティアで会場運営を手伝ってくれた家族の方が話してくれた。もちろん岡山を訪れたのは観光ではない。今日は中皮腫・アスベスト疾患患者と家族の会による岡山での集いが開かれるのである。特産品や観光に関する知識が貧困ならばまだ許せる。しかし石綿による健康被害がこの地方都市にも発生しており、その問題に対する想像力の貧困さとなると、笑えない問題である。
「道案内ができるようになりました」、と笑いながら話すのは安全センターの西山事務局長。西山さんは新幹線の改札口から会場のある岡山駅西口までの複雑な駅構内を、まるで自分の庭のように手引きしてくれた。クボタ・ショックから
2
年あまり、兵庫の安全センターは石綿健康被害のホット・ラインを定期的に行ってきたが、意外に多かったのが岡山からの相談であった。岡山の被災者が深刻な状態であり、しかも救済支援団体が皆無に等しい状態であったため、西山さんは何度も岡山を訪れていたのである。その記録は安全センター・ニュース
07
年
6
月号の「山陽断熱によるアスベスト被害」に詳しい。
患者と家族の集いは岡山国際交流センターで開かれた。岡山市奉還町という、いかにも歴史ある町名にその建物はあった。ガイドマップによると、明治維新の廃刀令で特権を失った岡山藩の武士たちが「奉還金」という退職金を新政府からもらい、「武士の商法」でこの地で商売を始めたのがきっかけという。なるほど、交流センターの周囲は小さな商店が立ち並んでいる。失業した武士に退職金が出ただけマシなのだろう。石綿健康被害のため使い捨てにされた労働者とその家族には、補償すら満足ではなかったのである。
◆医者が決める労災
患者と家族の会に先立ち、その日の午前中は相談会が開かれた。地元紙が取り上げてくれたため、
6
件もの相談者が訪れたのである。もちろん主催者としては嬉しい。しかし同時に哀しい。それほど被害が続出している証左でもあるためだからだ。
私は安全センターの神田雅之代表とMさんの相談に応じた。Mさんの父親は肺を患い、
7
月に亡くなったばかりであった。それまでアスベスト被害については報道で知る程度であったが、まさか自分の父親が被害に遭うとは思いもよらなかったという。
Mさんの父は普段は農業を営み、農閑期に水島の工業地帯で働いていた。しかし例の如く、当時の資料は殆ど残っておらず、「唯一出てきたのが、当時の給料袋一枚でした」という。「どうも、岡山には独特の決め事があるみたいで…」、午後から行われた患者と家族の集いで西山事務局長が述べると、参加者からは苦笑いが起こった。
患者に労災保険が適用されるか否かを決めるのは労働基準監督署である。決して医者ではない。医者は病状を聞き、治療に専念し、その原因を突き止めるのが仕事である。仮に労災か否か気になっても、それは病院の事務方の問題だ。そして事務方といえど、患者が社会保険、国民健康保険、自動車損害賠償保険、労災保険あるいは無保険のいずれかは決められない。どの保険なのかを申請するのは患者本人であり、認めるのは社会保険事務局などの保険者である。しかし岡山では、医者自ら「これは労災ではない」と患者と家族に言い切っていたという。これは「岡山の独特」なのか?
◆岡山でも相談の拠点を!
「これくらいなんです、地元で報道されるのは」と、かつて尼崎で居住し、妻を石綿健康被害で亡くした男性は新聞のスクラップをパラパラと私に見せてくれた。クボタが企業補償を行っているエリアからわずかに離れていたところに居住していたが、風向きなど様々な状況を考えると、環境ばく露は間違いない。確かにいずれ補償されるかもしれない。しかし、岡山に住んでいると情報が入らないのである。
ある参加者は「岡山に相談するところがない」と嘆いていた。患者と家族同士が意見や情報交換を行う場が絶対に必要なのは、私たちが日々実感していることだ。患者や家族が本音で語り合い、精神的なケアを受けられる場として必要なのである。そして何よりもお互い励ましあえる場として必要だ。
西山事務局長は、「労災請求において困った際に有力な手がかりとなるのは同僚の証言であるが、患者と家族の集いがあれば、共通の知り合いについて情報交換し、同僚証言を得るチャンスが大きくなります」と述べた。
岡山でも拠点が必要である。そのことを私を含め、参加者は痛切に感じた一日であった。
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8月25日、初めての岡山。きびだんご、桃太郎…後楽園…隣の県なのに、恐ろしいほど貧困な知識だ。「ママカリもありますよ。そしてマスカットも。高級品です。」ボランティアで会場運営を手伝ってくれた家族の方が話してくれた。もちろん岡山を訪れたのは観光ではない。今日は中皮腫・アスベスト疾患患者と家族の会による岡山での集いが開かれるのである。特産品や観光に関する知識が貧困ならばまだ許せる。しかし石綿による健康被害がこの地方都市にも発生しており、その問題に対する想像力の貧困さとなると、笑えない問題である。
「道案内ができるようになりました」、と笑いながら話すのは安全センターの西山事務局長。西山さんは新幹線の改札口から会場のある岡山駅西口までの複雑な駅構内を、まるで自分の庭のように手引きしてくれた。クボタ・ショックから2年あまり、兵庫の安全センターは石綿健康被害のホット・ラインを定期的に行ってきたが、意外に多かったのが岡山からの相談であった。岡山の被災者が深刻な状態であり、しかも救済支援団体が皆無に等しい状態であったため、西山さんは何度も岡山を訪れていたのである。その記録は安全センター・ニュース07年6月号の「山陽断熱によるアスベスト被害」に詳しい。
患者と家族の集いは岡山国際交流センターで開かれた。岡山市奉還町という、いかにも歴史ある町名にその建物はあった。ガイドマップによると、明治維新の廃刀令で特権を失った岡山藩の武士たちが「奉還金」という退職金を新政府からもらい、「武士の商法」でこの地で商売を始めたのがきっかけという。なるほど、交流センターの周囲は小さな商店が立ち並んでいる。失業した武士に退職金が出ただけマシなのだろう。石綿健康被害のため使い捨てにされた労働者とその家族には、補償すら満足ではなかったのである。
◆医者が決める労災
患者と家族の会に先立ち、その日の午前中は相談会が開かれた。地元紙が取り上げてくれたため、6件もの相談者が訪れたのである。もちろん主催者としては嬉しい。しかし同時に哀しい。それほど被害が続出している証左でもあるためだからだ。
私は安全センターの神田雅之代表とMさんの相談に応じた。Mさんの父親は肺を患い、7月に亡くなったばかりであった。それまでアスベスト被害については報道で知る程度であったが、まさか自分の父親が被害に遭うとは思いもよらなかったという。
Mさんの父は普段は農業を営み、農閑期に水島の工業地帯で働いていた。しかし例の如く、当時の資料は殆ど残っておらず、「唯一出てきたのが、当時の給料袋一枚でした」という。「どうも、岡山には独特の決め事があるみたいで…」、午後から行われた患者と家族の集いで西山事務局長が述べると、参加者からは苦笑いが起こった。
患者に労災保険が適用されるか否かを決めるのは労働基準監督署である。決して医者ではない。医者は病状を聞き、治療に専念し、その原因を突き止めるのが仕事である。仮に労災か否か気になっても、それは病院の事務方の問題だ。そして事務方といえど、患者が社会保険、国民健康保険、自動車損害賠償保険、労災保険あるいは無保険のいずれかは決められない。どの保険なのかを申請するのは患者本人であり、認めるのは社会保険事務局などの保険者である。しかし岡山では、医者自ら「これは労災ではない」と患者と家族に言い切っていたという。これは「岡山の独特」なのか?
◆岡山でも相談の拠点を!
「これくらいなんです、地元で報道されるのは」と、かつて尼崎で居住し、妻を石綿健康被害で亡くした男性は新聞のスクラップをパラパラと私に見せてくれた。クボタが企業補償を行っているエリアからわずかに離れていたところに居住していたが、風向きなど様々な状況を考えると、環境ばく露は間違いない。確かにいずれ補償されるかもしれない。しかし、岡山に住んでいると情報が入らないのである。
ある参加者は「岡山に相談するところがない」と嘆いていた。患者と家族同士が意見や情報交換を行う場が絶対に必要なのは、私たちが日々実感していることだ。患者や家族が本音で語り合い、精神的なケアを受けられる場として必要なのである。そして何よりもお互い励ましあえる場として必要だ。
西山事務局長は、「労災請求において困った際に有力な手がかりとなるのは同僚の証言であるが、患者と家族の集いがあれば、共通の知り合いについて情報交換し、同僚証言を得るチャンスが大きくなります」と述べた。
岡山でも拠点が必要である。そのことを私を含め、参加者は痛切に感じた一日であった。