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身近に潜むアスベストの脅威
~バスマットからアスベストが検出される~

2021/03/20
日本では2006年9月以降、重量の0.1%を超えるアスベストが含まれる製品の使用や輸入、販売などが原則禁止されている。しかし、珪藻土製品から基準値を超えるアスベストが検出され、メーカーによる自主回収が相次ぎ、問題となっている。


◆珪藻土製品とアスベスト

珪藻土製品はバスマットやコースター等様々で、人気の商品である。珪藻土とは、植物性プランクトンの一種である珪藻が海底等に沈殿して化石化した泥土である。珪藻土は吸水性や速乾性に優れ、この性質を利用して製品が作られている。珪藻土そのものに粘着性は無く、石灰や植物繊維を混ぜて板状に成形する。珪藻土は珪藻の化石である一方、アスベストは天然の鉱物であり、珪藻土にアスベストの混入は考えにくい。


◆なぜ珪藻土製品にアスベストが?

事の発端は、2020年11月27日、厚生労働省発表の「石綿(アスベスト)含有品の流通とメーカー/販売者による回収について」である。大阪府貝塚市のふるさと納税返礼品等で流通していた株式会社堀木工所製造の珪藻土バスマットに基準値を超える石綿が含まれていたのである(対象製品3,020個)。
その後調査により、株式会社カインズ(対象製品約29万個)、株式会社ニトリホールディングス(対象製品約355万個)、不二貿易株式会社(対象製品23,658個)、株式会社ワッツ(対象製品5,595個)、エイベクト株式会社(対象製品31個)の珪藻土製品に基準値を越える石綿が含まれていたことが判明した。
アスベストが含まれた原因として、堀木工所の製品は、規制強化前の2001年に購入した原料をもとにバスマットが製造されていた。その他メーカーの製品は中国産であった。中国は石綿が全面的に禁止されておらず、粘着性のない珪藻土を成形する際に石綿含有の材料を混ぜて製造した可能性が高い。
販売会社は、適切な検査を実施する必要があったが、それを怠り販売していたことに責任がある。


◆健康被害を防ぐために

珪藻土製品は、表面が汚れたり、吸水性が悪い時には、紙やすりで表面を削ることを、手入れとして推奨しており、商品の回収は急務である。
ニトリはテレビCMで珪藻土製品の自主回収を案内しているが、「アスベストが含まれているため」という説明は全くない。「アスベストが含まれている」という事実を正しく伝えることで、視聴者は危険性に気付き、自身の所持する珪藻土製品が安全か確認するだろう。対象製品をできる限り回収する為に、テレビCM等では正しく注意喚起して欲しい。
アスベストは過去に使用されたものではなく、現在も身近なところに存在し、曝露する危険がある。アスベスト根絶にむけた課題は多い。

 

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