◇全国の労災認定件数4,000件を超える

新型コロナウイルス感染症による労災請求・認定件数について、厚生労働省は全国集計を一覧表にして、ホームページにおいて随時公表を行っている。2021年3月26日時点の集計では、請求件数8,177件（うち遺族請求33件）、決定件数4,228件（同23件）、支給件数4,038件（同22件）となっている。


◇地方公務員の公務災害認定312件

地方公務員災害補償基金も、請求件数・認定件数について全国集計を一覧表にして、ホームページにおいて随時公表を行っている。2021年3月24日時点の集計では、請求件数433件、公務上認定件数312件、調査中121件となっている。公務外の決定は出ていない。

職種別でみると、看護師の方の請求件数が227件で公務上認定件数が175件と一番多く、次いで警察官が請求件数103件で公務上認定件数71件となっている。


◇兵庫労働局　認定件数が200件に

昨年11月末、兵庫労働局は、厚生労働省が公表している一覧表とほぼ同じ業種分類で、請求件数・決定件数・支給件数をホームページにおいて公表をおこなった。その後、兵庫労働局のホームページを注目しているが、新しい情報は公表されていない。

兵庫労働局に情報の提供を依頼したところ、3月26日現在の集計表の提供を受けることができた（別紙参照）。前回提供を受けた2021年2月19日分と比べると、請求件数は279件から439件（うち遺族請求1件）に増加、決定件数は120件から200件（同1件）に増加、支給決定件数も120件から200件（同1件）に増加している。決定件数と支給件数が同じなので、これまでに労災と認められなかった事案は出ていないといえる。

兵庫労働局は、定期的に新型コロナウイルス感染症に関する労働相談状況について発表を行なっている。発表に合わせて、新型コロナウイルス感染症による労災請求・認定件数に関する情報も公表するべきである。

兵庫県内の感染者数は2万人を超え、更に拡大の傾向にある。労働行政として、仕事や通勤が原因で新型コロナウイルスに感染した方に、労災保険の請求を勧奨すべきであり、そのためにも労災請求・認定件数の公表は大事である。

労災保険の請求手続きに関して、わからないこと等があれば、是非当センターまで相談いただきたい。