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石綿健康被害救済法 改正法案が可決成立
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私たち中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会は、石綿健康被害救済法の抜本的見直しを求め、3つの緊急要求を掲げて活動してきました。1点目は、格差のない療養手当とすき間をなくす認定基準の見直し。2点目は、治療研究促進のための「石綿健康被害救済金」の活用。3点目は、時効救済制度の延長、です。
2016年12月に中央環境審議会環境保険部会石綿健康被害救済小委員会(以下、「小委員会」という)がとりまとめた、「石綿健康被害救済制度の施行状況及び今後の方向性について」では、同制度の5年以内の見直しが必要とされていたのですが、既に5年が過ぎてしまいました。
そのため、2016年3月27日以降に亡くなられ5年を経過した遺族については、既に請求権が全く無くなっていました。また、今年の3月28日以降は死亡後5年を経過した全ての遺族の請求権が無くなる事態を迎えていました。
◇国会議員への賛同を求める行動
私たちは「3つの緊急要求」の内容を分かりやすいように冊子にし、多くの方に賛同していただけるよう配布してきました。また、国会議員の皆さんに賛同を求める署名活動も取り組んできました。
ひょうご支部としては、兵庫県に対して陳情に行き、国会議員の事務所へ陳情にも行きましたし、兵庫選出の全ての国会議員の事務所に電話を掛け、要請を行ないました。全国の各支部でも同じような取り組みが行われました。
さらに、直接、国会議員の皆さんに要請と行なうため、全国から上京し衆議院と参議院の議員会館事務室を回りました。
私は、4月11日から3日間、議員会館を駆けずり回り、頭を下げまくり、84の議員事務室を回りました。数人の議員さんとは面談もでき、苦しい生活を赤裸々に訴えました。更に第二弾として、4月26日から3日間、上京し賛同署名のお願いに議員会館を駆け回りました。この時は82人の国会議員の事務室を訪問しました。
2回目は、控え室に伺うと気持よく署名を下さる先生や、激励して下さる政策秘書の方や、「わざわざ神戸から来たのか」と地元特産のジュースを振る舞って下さる先生も居られました。衆議院の受付のお姉さんとは、何度も顔を合わせるので知り合いになり、優しい言葉も掛けてもらいました。
◇時効救済制度の延長が実現
賛同署名に協力いただいた国会議員は170名を超え、緊急要求の「時効救済制度の延長」については、5月17日の衆議院本会議において全会一致で採択され参議院に送られました。そして、参議院においても6月13日に全会一致で採択され、法案が成立しました。
参議院では5項目からなる附帯決議も採択されました。その内容は、「中皮腫に効果のある治療法の研究・開発を促進するための方策について石綿健康被害救済基金の活用等の検討を早期に開始すること。」「良性石綿胸水、また、石綿肺合併症についても、指定疾病への追加を検討すること。」「肺がんについては、・・・認定における医学的判定の考え方にばく露歴を活用することなどについて検討すること。」「療養者の実情に合わせた個別の給付の在り方、療養手当及び給付額の在り方、石綿健康被救済基金及び原因者負担の在り方等についても検討を行なうこと。」と、私たちの要望が多く盛り込まれました。
附帯決議を元に、次は本丸である「格差・すき間の無い救済」と「石綿健康被害救済基金の活用」を実現させたいと思います。
◇補償ではない救済制度
私は平成9年に、消防のレスキュー隊で働いていた夫を中皮腫で亡くしました。公務災害を申請しましたが認定からは外れ、再審査請求も棄却となりました。平成18年に救済法が出来たのも知らず、自分には関係ないと思い込んでいました。
平成27年10月末に市の広報誌を読んでいると、「アスベスト特別遺族弔慰金・特別葬祭料の時効延長が近づいています」の記事を見つけ、ヒョッとしてと思い直ぐに連絡したところ、「期限内に手続きをして下さい」と言われ、必要な書類を提出して11月末に認定通知をもらいました。その時に受け取った額が約300万円でした。国の失策によって、痛み抜いて苦しみ抜いて廃人のようになって死んで行った夫の、余りにも安い命の代償でした。無念と言うより呆れました。
◇「命の救済」の実現に向けて
時効救済制度の延長問題について、国会での議論が行なわれ始めたのと平行して、開催が5年以上止まっていた救済小委員会が開催されることが決まりました。小委員会へは、私たちの会員でもあり、中皮腫の患者さんである右田孝雄さんが委員として参画することになりました。
私たちの要求は、中皮腫をはじめアスベストによる病気を治る病気にして欲しいということです。救済法では、認定者への給付の支払いのために「石綿健康被害救済基金」を設置して、現在約800億円の残高があります。この基金の一部を病気の治療・研究に活用して「命の救済」に活用して欲しいのです。
小委員会は、第1回目が6月6日に開催されました。今年の冬まで議論が続くと思われます、法改正に繋がるよう、更に活動を強めていきたいと考えています。
◇格差のない補償の実現に向けて
私たちが求める3つの緊急要求が実現しないと、今までと何ら変わりません。1番に掲げる「格差」のない療養手当と隙間のない認定基準の見直しは大きな課題です。救済法の認定を受けていても、患者が亡くなれば労災保険のような年金は入ってきません。若く働き盛りで亡くなった遺族や家族は、想像を絶する貧困世帯へと転落するのです。国が推奨し使い続けたアスベストを吸って、同じ原因、同じ病名、同じ症状なのに、何処で吸ったのか、何時の時期に吸ったのかで、現状の制度では格差が付くのです。世話人として色々な方々から話を聞く度に、怒りで一杯になります。
6年前に、ひょうご支部へ伺った時には今の自分を全く想像していませんでしたが、自分のため皆のために法改正へ向けて出来ることは何でも惜しみなく行いたいと考えています。次は、3つの緊急要求が総て改正された喜びの報告にしたいと思います。皆さんのご協力をお願いします。