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過労死等防止対策推進シンポジウム 兵庫会場
過労死をゼロに、健康で働き続けることのできる社会へ

2023/12/22
11月22日、神戸市産業振興センターにおいて、過労死等防止対策推進シンポジウムが開催されました。県内の過労死等の近況報告を経て、各プログラムが進行されました。


♦関係の質を改善し、残業削減ヘ

洲本市にある株式会社成田の福井専務が、従来50時間以上あった残業時間を削減した取 り組みについて話されました。専務は、社内の人間関係を改善する環境作りに注力し、朝礼や面談、食事会を通じて「対話時間」を増やす仕組みを構築しました。そして業務の滞留箇所を全社員で可視化する研修を実施し、改善への大きな力となりました。また、問題発生時に当事者が集まり話し合う仕内文化や、社員間の助け合い精神が育まれることで残業は減り、働きやすい職場環境の構築に繋がったと発表されました。


♦ケアとは、逃げずに関わること

続いて、公認心理師であり真言宗の僧侶でもある高野山大学の森崎教授が講演を行いました。森崎教授は、自死遺族会の会長を務める傍らNPO法人の会員として自死の防止活動に尽力されているため「いのち」や「相談(ケア)」についての話題を中心とされました。相談を受ける上では、相手を「緩める」ことを意識されており、丁寧に傾聴しつつ感情に寄り訴い、解決の糸口を共有することを大切にされているそうです。また相手を配慮し、正面から関わり、お互いに感化されることが「いのちのケア」であるとして、その重要性を説かれました。


♦誰でも起こり得る、過労死

最後に、神戸を中心に展開しているラーメン店の元店長で、過労により適応障害を患い休職中である男性被災者の体験が、弁護士により代読されました。発症直前の時間外労働は175時間にも及び、発症後に3度の自死未遂を行いました。男性はかつて同僚と組合を結成し、環境改善を訴え、ストや会社交渉も経験していました。しかし会社は改善せず、次第に話も受け付けなくなったそうです。被災者の男性は「気の強かった私でも過労により心が壊れてしまった。他人事ではない」と警鐘を鳴らしつつ「同じ被害者が生まれず、社員が活き活きと働ける社会になって欲しい」と、声を上げられました。
過労死をなくすためには、ご遺族や関係者をはじめとする労働者が強く訴え、社会に伝える必要があります。大きな運動が政府を動かし、個人に「いのちのケア」の意識が芽生えれば、過労死のない社会に近づけるのではないかと思います。

 

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