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アスベスト患者と家族の会ひょうご支部 総会を開催
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ひょうご支部は、クボタショック直後の2005年8月に結成され活動を進めてきました。この間のコロナ禍により集まりが制約され、久しぶりの対面での総会開催となりました。
♦ 「3つの緊急要求」の取り組み
総会には本部から小管千恵子会長にお越しいただきました。小管会長からは、会として「3つの緊急要求」を掲げ、環境省・厚生労働省、国会議員への要請を行ないながら、環境省の石綿健康被害救済小委員会においても法改正を求め活動を進めてきたことが報告されました。「請求期限の延長については法改正を実現することができたが、命の救済と補償の格差見直しについては私たちの意見が反映されないまま小委員会が終了となった。中皮腫を治せる病気にするために、更に国会議員への要請を強め頑張っていきましょう」と力強い訴えがありました。
総会は山口美佐恵世話人の司会で進められ、ひょうご労働安全衛生センターの小西達也理事長からも、「治療に関しては新しい治験も始まっていると聞いている。中皮腫を治せる病気にするため、患者さんとご家族が更に多くの方と手を繋ぎ頑張っていきましょう」と挨拶を受けました。
その後、ひょうご支部の福田靖美世話人から1年間の活動報告と会計報告が行なわれ、参加者全員で承認・確認されました。
♦中皮腫とともに生きる
2部の交流会では、中皮腫の患者さんお口人から、発症からこれまでの経過とその思いを語っていただき、参加者全員で交流を行いました。
最初は、西宮市在住の尾上一朗さん(68歳)。
2017年の健康診断で右肺に胸水が溜まっていると指摘され、検査の結果、悪性胸膜中皮腫と診断された。医師からは、手術ができず、余命6ヵ月といわれ、奈落の底に突き落とされたような感じがした。その後、免疫治療薬「オプジーボ」が使えるようになったが、その副作用で手足に痺れや痛みをかんじるようになり、当たり前にできていたことができなくなり、不安と虚しさを感じる。
今は、家族でご飯を食べてたわいのない話をすることが何よりの幸せを感じる。余命半年と言われたが、6年を超える寿命をいただいている。いつまでも腫瘍が動かないで欲しいが、明日動くかもしれない不安を抱えている。「生きていれば良いこともある。少しでも長く生きたい」と話されました。
二人目は、宝塚市在住の真方明さん(68歳)。
2022年12月の健康診断でレントゲンを撮ると、肺に白い影が見つかり、年明けに精密検査をすることになった。しかし、妻にはその事を伝えられなかった。年末に妊娠している娘が帰ってくる事になっていたので、妻にも娘にも余計な心配をさせたくなかった。年明けの検査の結果、悪性胸膜中皮腫と診断され、医師からは「手術はできない。今後の治療方針はQOLの維持、延命治療」との説明があり、「治らないんだ、もう死ぬだけなんだ」と思った。免疫療法開始後、胸水が溜まり呼吸困難となり「死の一歩手前までいった」。7月には孫も無事生まれ、孫を抱くこともでき、命のぬくもりと動きを感じることができた。 「すぐに死ぬんだ」との気持ちが、「もっと行きたい。何年も生きて孫の成長も見守りたい」と思う。「患者歴10ヵ月ですが、 5年10年と手記を綴りたい」と話されました。