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アスベスト被害者救済基金 通常総会開催

2022/11/18
10月29日、兵庫区文化センター第3会議室で特定非営利活動法人アスベスト被害者救済基金の第7回通常総会が開催されました。冒頭、全日本港湾労働組合神戸弁天浜支部の磯田和男さんが議長に選任され、議事進行が執り行われました。

主催者あいさつに立った神田雅之代表は、「これまで長きにわたって労働運動に取り組んできましたが、アスベスト間題とは本当に長い付き合いです。アスベストは05年のクボタショックでクローズアップされましたが、私たちはそれ以前から取り組んできており、被害者や家族に対し弁護士や医療機関を紹介してきました。そのような地道な活動がやがて石綿健康被害救済法の制定や国家賠償という成果につながり、また建設労働者のアスベスト訴訟も勝利を収め、現在も建材メーカーを相手に闘争が続いています。とは言え、まだまだ不十分な内容です。今後も更なる救済の拡大を勝ち取っていきましょう」と呼びかけました。

連帯のあいさつに立ったNPO法人ひょうご労働安全衛生センターの小西達也代表も、「(阪神・淡路大震災時のがれき処理で石綿健康被害に遭い、遺族が公務災害の認定を求めて提訴した)島谷さんが最高裁判決で敗訴したことは非常に残念でならない。ロシアによるウクライナ侵攻やコロナ禍もあり、アスベストに対するマスコミの関心が以前よりも下がっている状態である。マスクプロジェクトなどを通じて、引き続き世論に訴えることが必要だ」と述べました。

議事では21年度活動報告と収支決算、そしてホットラインや研究活動の継続、アスベスト健康被害者に対する支援活動を行う団体への支援等を明記した今年度の活動方針と予算案が審議され、満場一致で決議されました。
また、今総会をもって長きにわたってアスベスト問題に携わってこられた正木紀通さんが退任され、ひょうごユニオンの村上佳伴さんが新たに監事に就任しました。基金一同、正木さんに心から感謝の意を表したいと思いま
す。

第2部では医療法人青和会みずしま内科クリニックの水嶋潔院長から「アスベストの健康障害を考える」と題しオンラインで講演をいただきました。アスベストの危険性やばく露した際の健康障害とその症状、そして未だに
治療法が確立されていないことや医師そのものの認識が不足して見逃している実態などを分かりやすく説明していただきました。

「石綿は使用が禁止されただけで健康被害は終わっておらず、まだまだこれからです。煙草をやめ、必ず定期的に健康診断を受けること、家族にばく露は無かったかを調べ、健康管理を徹底することが大切だ」と訴えました。
私たちは、今後も建築物の{到壊によるアスベスト粉塵の飛散による健康被害の危険性を訴え、被害者への隙間と格差の無い救済措置を求めて今後も活動を継続していきます。

 

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