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< 地震・石綿・マスク支援プロジェクト
地震・石綿・マスク支援プロジェクト
阪神淡路大震災後の解体作業に従事し
悪性胸膜中皮腫を発症
神戸西労働基準監督署が労災認定
2024/07/22
◆震災後の復旧、解体作業に従事
Aさんは、道路建設作業会社に在籍し、1988(昭和63)年4月から1999(平成11)年3月までは神戸営業所の所長として勤務しました。
阪神淡路大震災により、道路建設工事の新規事業が全てストップ。国からは、震災後の復旧のため、道路のがれき処理作業の依頼があり、震災後約2ヶ月間は道路を覆っているがれき等をスコップでトラックに積み込み、運搬する作業を全従業員で行ないました。
その後は、地元の業者などから、建物解体や瓦礫撤去作業等を下請けとして受注し、全国から駆け付けた社員と共に作業に従事しました。Aさんは現場で作業の指揮を執りながら、自らも解体作業等に携わりました。作業を行なった解体作業現場は、鉄骨造の建物や工場や倉庫が多く、鉄骨等にアスベストが吹付けてあった事を覚えておられます。
また、「工場や倉庫の壁等の解体作業は、屋内の閉ざされた空間なので、ホコリが凄かった。」「工場や倉庫の場合、被災していても全てを取り壊してしまうと保管等ができなくなるので、壊れている箇所や壁等を取り除き、床面を整地する作業を行なった。」と話されています。さらに、「作業員が解体作業においてスレート板を剥がしたり、水道管を切断する作業を行なう近くで現場指揮を行なっていたので、凄い量の白い粉が舞っていたことを記憶している。」と当時の状況を語られました。
◆震災後の作業が原因と労災認定
Aさんは、令和4年2月頃、声のかすれや咳の症状で体調が悪化し、病院を受診したところ令和4年4月に悪性胸膜中皮腫と診断されました。その後、令和4年9月22日に胸膜剥離術(PD)手術を受け、現在通院治療中です。
Aさんは、中皮腫と診断され、医師からアスベストが原因の病気であると告げられました。その時にアスベストについて思いだしたのが、阪神淡路大震災後の作業でした。そこで令和5年5月に神戸西労働基準監督署に労災申請をおこないました。
調査の結果、監督署は「本件は、石綿による疾病の認定基準に定める中皮腫の認定基準を満たすことから、業務上疾病と認められる。」と判断し、その理由として「請求人は、平成7年2月以降に従事した阪神淡路大震災の解体工事、がれき撤去作業において、石綿にばく露し、令和4年4月11日に症状が出現、令和4年4月14日に悪性胸膜中皮腫と診断されたものであり、石綿ばく露開始から10年以上(約28年)経過して発症したものと認められる。」と決定しました。
◆阪神淡路大震災から30年
阪神淡路大震災後の復旧・復興工事に従事し、アスベスト特有の中皮腫を発症し労災認定された方の存在が明らかとなったのは、2008年3月でした。発症時期は不明ですが、労災認定の前年の2007年頃と推認されます。
二人目として確認されたBさん(宝塚市)が、胸膜中皮腫を発症したのは 2010(平成22)年12月。三人目として確認されたCさん(稲美町)は、2011年に亡くなられているので、発症はその数年前と考えられます。四人目のDさん(芦屋市)が中皮腫を発症されたのは2007(平成19)年8月。五人目のEさん(明石市)が中皮腫を発症されたのは、2012(平成24)年6月。六人目のFさん(三木市)が中皮腫を発症したのは、2013(平成25)年夏頃です。そして、今回のAさんが中皮腫を発症されたのは、2022(令和4)年2月です。
私たち支援団体への相談やマスコミの皆さんの取材により、2007年頃から2013年までの間に、阪神淡路大震災の復旧・復興作業に従事した方が次々の中皮腫を発症されたことが確認されました。今回のAさんの労災認定が確認されるまでの2013年から2022年までの約10年間の空白期間があります。この期間、震災の影響によりアスベスト関連疾患を発症された方が居なかったのではなく、被害は拡がっているがその情報が公表されていなかっただけではないかと考えます。
アスベストを原因とする病気、特に中皮腫は潜伏期間が長いことが特徴であり、それは30年から50年といわれています。阪神淡路大震災から来年で30年を迎える時期だからこそ、被災地の復旧・復興に携わられた方、被災地で暮らした方、また全国から駆け付けたボランティアの皆さんに健康問題について関心を寄せる必要があります。
2012年、明石市の職員が中皮腫を発症した際、当時の兵庫県知事は「原因が震災だとはなかなかなりにくいのではないか」、「がれき処理の際はアスベストを測定しながら行い、環境基準を超えた事例は少なかった」「明らかに震災が原因となるようなデーターはなかった」と見解を述べました。それ以降も、震災とアスベスト問題に関する行政の皆さんの見解は変わっていません。
阪神淡路大震災の復興復旧作業に従事した方がアスベスト特有のがんを発症する事例は続いており、改めて環境省や兵庫県が中心となり、阪神淡路大震災の復旧・復興に携わった様々な方々の健康対策について、何が必要であるのか、何から始めるべきなのかの議論を開始するべきです。
阪神淡路大震災後の復旧・復興作業には全国から駆け付けた多くの労働者が従事しました。アスベスト被害は兵庫県だけの問題ではなく、被害は全国に拡がっている可能性があります。労働災害の認定を行なう厚生労働省は、全国のアスベストによる労災認定事例を把握しており、阪神淡路大震災時の石綿ばく露を原因とする認定事例について公表すべきと考えます。また、労災保険の対象とならない方々の救済は、環境省が管轄する環境再生保全機構が情報を保有しており、阪神淡路大震災時の石綿ばく露が起因すると思われる発症者の情報についても公表し、今後の健康対策に繋げるべきだと考えます。
私たちは引き続き、災害によるアスベスト被害の実態把握に努め、被災者の救済のために支援を行なっていきます。不安を抱えておられる方、補償・救済を求めておられる方は、ぜひ相談ください。
震災とアスベストホットライン
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Aさんは、道路建設作業会社に在籍し、1988(昭和63)年4月から1999(平成11)年3月までは神戸営業所の所長として勤務しました。
阪神淡路大震災により、道路建設工事の新規事業が全てストップ。国からは、震災後の復旧のため、道路のがれき処理作業の依頼があり、震災後約2ヶ月間は道路を覆っているがれき等をスコップでトラックに積み込み、運搬する作業を全従業員で行ないました。
その後は、地元の業者などから、建物解体や瓦礫撤去作業等を下請けとして受注し、全国から駆け付けた社員と共に作業に従事しました。Aさんは現場で作業の指揮を執りながら、自らも解体作業等に携わりました。作業を行なった解体作業現場は、鉄骨造の建物や工場や倉庫が多く、鉄骨等にアスベストが吹付けてあった事を覚えておられます。
また、「工場や倉庫の壁等の解体作業は、屋内の閉ざされた空間なので、ホコリが凄かった。」「工場や倉庫の場合、被災していても全てを取り壊してしまうと保管等ができなくなるので、壊れている箇所や壁等を取り除き、床面を整地する作業を行なった。」と話されています。さらに、「作業員が解体作業においてスレート板を剥がしたり、水道管を切断する作業を行なう近くで現場指揮を行なっていたので、凄い量の白い粉が舞っていたことを記憶している。」と当時の状況を語られました。
◆震災後の作業が原因と労災認定
Aさんは、令和4年2月頃、声のかすれや咳の症状で体調が悪化し、病院を受診したところ令和4年4月に悪性胸膜中皮腫と診断されました。その後、令和4年9月22日に胸膜剥離術(PD)手術を受け、現在通院治療中です。
Aさんは、中皮腫と診断され、医師からアスベストが原因の病気であると告げられました。その時にアスベストについて思いだしたのが、阪神淡路大震災後の作業でした。そこで令和5年5月に神戸西労働基準監督署に労災申請をおこないました。
調査の結果、監督署は「本件は、石綿による疾病の認定基準に定める中皮腫の認定基準を満たすことから、業務上疾病と認められる。」と判断し、その理由として「請求人は、平成7年2月以降に従事した阪神淡路大震災の解体工事、がれき撤去作業において、石綿にばく露し、令和4年4月11日に症状が出現、令和4年4月14日に悪性胸膜中皮腫と診断されたものであり、石綿ばく露開始から10年以上(約28年)経過して発症したものと認められる。」と決定しました。
◆阪神淡路大震災から30年
阪神淡路大震災後の復旧・復興工事に従事し、アスベスト特有の中皮腫を発症し労災認定された方の存在が明らかとなったのは、2008年3月でした。発症時期は不明ですが、労災認定の前年の2007年頃と推認されます。
二人目として確認されたBさん(宝塚市)が、胸膜中皮腫を発症したのは 2010(平成22)年12月。三人目として確認されたCさん(稲美町)は、2011年に亡くなられているので、発症はその数年前と考えられます。四人目のDさん(芦屋市)が中皮腫を発症されたのは2007(平成19)年8月。五人目のEさん(明石市)が中皮腫を発症されたのは、2012(平成24)年6月。六人目のFさん(三木市)が中皮腫を発症したのは、2013(平成25)年夏頃です。そして、今回のAさんが中皮腫を発症されたのは、2022(令和4)年2月です。
私たち支援団体への相談やマスコミの皆さんの取材により、2007年頃から2013年までの間に、阪神淡路大震災の復旧・復興作業に従事した方が次々の中皮腫を発症されたことが確認されました。今回のAさんの労災認定が確認されるまでの2013年から2022年までの約10年間の空白期間があります。この期間、震災の影響によりアスベスト関連疾患を発症された方が居なかったのではなく、被害は拡がっているがその情報が公表されていなかっただけではないかと考えます。
アスベストを原因とする病気、特に中皮腫は潜伏期間が長いことが特徴であり、それは30年から50年といわれています。阪神淡路大震災から来年で30年を迎える時期だからこそ、被災地の復旧・復興に携わられた方、被災地で暮らした方、また全国から駆け付けたボランティアの皆さんに健康問題について関心を寄せる必要があります。
2012年、明石市の職員が中皮腫を発症した際、当時の兵庫県知事は「原因が震災だとはなかなかなりにくいのではないか」、「がれき処理の際はアスベストを測定しながら行い、環境基準を超えた事例は少なかった」「明らかに震災が原因となるようなデーターはなかった」と見解を述べました。それ以降も、震災とアスベスト問題に関する行政の皆さんの見解は変わっていません。
阪神淡路大震災の復興復旧作業に従事した方がアスベスト特有のがんを発症する事例は続いており、改めて環境省や兵庫県が中心となり、阪神淡路大震災の復旧・復興に携わった様々な方々の健康対策について、何が必要であるのか、何から始めるべきなのかの議論を開始するべきです。
阪神淡路大震災後の復旧・復興作業には全国から駆け付けた多くの労働者が従事しました。アスベスト被害は兵庫県だけの問題ではなく、被害は全国に拡がっている可能性があります。労働災害の認定を行なう厚生労働省は、全国のアスベストによる労災認定事例を把握しており、阪神淡路大震災時の石綿ばく露を原因とする認定事例について公表すべきと考えます。また、労災保険の対象とならない方々の救済は、環境省が管轄する環境再生保全機構が情報を保有しており、阪神淡路大震災時の石綿ばく露が起因すると思われる発症者の情報についても公表し、今後の健康対策に繋げるべきだと考えます。
私たちは引き続き、災害によるアスベスト被害の実態把握に努め、被災者の救済のために支援を行なっていきます。不安を抱えておられる方、補償・救済を求めておられる方は、ぜひ相談ください。
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