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< 地震・石綿・マスク支援プロジェクト
地震・石綿・マスク支援プロジェクト
アスベスト健康被害を聞き取り、語り継ぐために
連続講座 第2回
アスベスト被害の経験を聞く
2024/07/19
6月23日、神戸大学文学部で連続公開講座の「震災の経験を記録する一阪神・淡路大震災とアスベスト被害を聞き取り、語り継ぐために一」を開催し、学生を中心に50名以上が参加しました。2回目となる今回、アスベストを吸引して健康被害を受けた人や支援者たちから直接体験談を聞いて意見交換を行い、参加者たちはアスベストの危険性について認識を深めました。
内装工事業に従事し、阪神・淡路大震災では大手ゼネコンの指示で被災地において解体作業に携わった郡家滝雄さんは、講座が始まる前に教室の壁を叩いていたことを参加学生から質問され、「音で分かる。フレキシブルボードとケイ酸カルシウム板が使われている」と熟練した経験を基に話し、「2004年までの建造物には、天井や壁だけでなく、優れた防火性のためカーテンにまでアスベストが使われている」と指摘しました。郡家さんは右綿じん肺管理区分4と診断され、びまん性胸膜肥厚のため肺は56%しか機能していません。
「真綿で首を絞められた状態で、片肺のまま 20年間生活してきた。自分が悪くて、じゃない、アスベストさえ無ければという思いだ」と語りました。
1972年から建設業に従事している尾上一郎さんは、作業時においては「お構いなしに解体していた。今思うと危険だが、当時はそれどころじゃなかった」と話しました。2017年8月に中皮腫と診断され、医者に言われるまで、アスベストの危険性を知らなかったそうです。余命半年と告げられながら、副作用の強い抗がん剤の投与43回、腫瘍箇所に直接針を刺すラジオ波焼灼療法の激痛に耐えたこと、脳梗塞や肝臓への転移などに襲われながらも、家族に支えられ「ようやく落ち着いた」という、凄まじい治療体験を語られました。今も健診を続け、「時限爆弾を抱えたままの状態」だと語りました。
また明石市産業環境局の職員として震災時にガレキ処理に従事し、中皮腫を発症して死亡した島谷和則さんの同僚で、支援活動に携わってきた吉田秀男さんは、民間に比べ公務員の石綿健康被害の認定は半分以下だと指摘し、「働く人の命に民も公も変わりはない」と怒りを込めて訴えました。
そして宝塚市の水道職員だった真方明さんは、キラキラと石綿粉じんが舞うポンプ室内で社会見学の子どもたちを案内する仕事を担当しましたが、それは総時間にして30時間程度であるにもかかわらず、40年後に中皮腫を発症し公務災害として認定を受けたのです。
参加者は皆、アスベストの恐ろしさを改めて認識させられました。尾上さんも真方さんも、認定要件の問題点を指摘し「祖父母の死因まで全て調べて記載させられ、発症は公務ではないと言いたい調査ばかり。本当に救済する気はあるのか」と厳しく批判しました。
郡家さんは「学生はボランティアに行くことが多いと思う。国にマスクの備蓄をお願いしているが、自分の身は自分で守ることを肝に銘じてほしい」と訴えました。ある学生は「メディア通じてではなく、直接話を聞いてアスベストの恐ろしさや被災者の苦しさ、悔しさを実感することが出来たと同時に、自分がどこまで寄り添いきることが出来のかという気持ちも感じた。アスベストが今も続く問題であり、関心を広げていくことの大切さを痛感し、声を上げ、地道に種まきをしていくことが重要だと思った」と語っていました。
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内装工事業に従事し、阪神・淡路大震災では大手ゼネコンの指示で被災地において解体作業に携わった郡家滝雄さんは、講座が始まる前に教室の壁を叩いていたことを参加学生から質問され、「音で分かる。フレキシブルボードとケイ酸カルシウム板が使われている」と熟練した経験を基に話し、「2004年までの建造物には、天井や壁だけでなく、優れた防火性のためカーテンにまでアスベストが使われている」と指摘しました。郡家さんは右綿じん肺管理区分4と診断され、びまん性胸膜肥厚のため肺は56%しか機能していません。
「真綿で首を絞められた状態で、片肺のまま 20年間生活してきた。自分が悪くて、じゃない、アスベストさえ無ければという思いだ」と語りました。
1972年から建設業に従事している尾上一郎さんは、作業時においては「お構いなしに解体していた。今思うと危険だが、当時はそれどころじゃなかった」と話しました。2017年8月に中皮腫と診断され、医者に言われるまで、アスベストの危険性を知らなかったそうです。余命半年と告げられながら、副作用の強い抗がん剤の投与43回、腫瘍箇所に直接針を刺すラジオ波焼灼療法の激痛に耐えたこと、脳梗塞や肝臓への転移などに襲われながらも、家族に支えられ「ようやく落ち着いた」という、凄まじい治療体験を語られました。今も健診を続け、「時限爆弾を抱えたままの状態」だと語りました。
また明石市産業環境局の職員として震災時にガレキ処理に従事し、中皮腫を発症して死亡した島谷和則さんの同僚で、支援活動に携わってきた吉田秀男さんは、民間に比べ公務員の石綿健康被害の認定は半分以下だと指摘し、「働く人の命に民も公も変わりはない」と怒りを込めて訴えました。
そして宝塚市の水道職員だった真方明さんは、キラキラと石綿粉じんが舞うポンプ室内で社会見学の子どもたちを案内する仕事を担当しましたが、それは総時間にして30時間程度であるにもかかわらず、40年後に中皮腫を発症し公務災害として認定を受けたのです。
参加者は皆、アスベストの恐ろしさを改めて認識させられました。尾上さんも真方さんも、認定要件の問題点を指摘し「祖父母の死因まで全て調べて記載させられ、発症は公務ではないと言いたい調査ばかり。本当に救済する気はあるのか」と厳しく批判しました。
郡家さんは「学生はボランティアに行くことが多いと思う。国にマスクの備蓄をお願いしているが、自分の身は自分で守ることを肝に銘じてほしい」と訴えました。ある学生は「メディア通じてではなく、直接話を聞いてアスベストの恐ろしさや被災者の苦しさ、悔しさを実感することが出来たと同時に、自分がどこまで寄り添いきることが出来のかという気持ちも感じた。アスベストが今も続く問題であり、関心を広げていくことの大切さを痛感し、声を上げ、地道に種まきをしていくことが重要だと思った」と語っていました。