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中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会

中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
ひょうご支部 第16回総会を開催

2024/10/18
◇一年の取り組みを通して
10月5日(土)、兵庫区文化センターにおいて、中皮腫・アスベスト疾患.患者と家族の会ひょうご支部の第16回総会が開催されました。
総会は二部構成でおこなわれ、第一部は総会議事でした。ひょうご支部世話人の福田さんからの主催者挨拶があり、総会のために駆けつけてくださった中皮腫・アスベスト疾患.患者と家族の会の会長の小菅さんより挨拶をいただきました。

小管会長からは、「会として①格差のない補償の実現、②中皮腫を治せる病気にする、を柱として、国会議員や医師や専門家の協力を得ながら、取り組みを進めてきました。私たちが訴えた結果、厚生労働省は本年度から労災疾病の研究事業に年間約1億円の助成枠を設けることになりました。そして『光免疫療法の中皮腫への適応拡大を目指す治験』が3年計画でスタートしました。治療研究に関する予算枠の拡大に向けて、さらに取り組みを強めていきますので会員の皆さんのご協力をお願いします」とお話しがありました。

そして、一年間の取り組みを振り返る活動報告に続いて会計決算報告が行なわれました。以前はバス旅行を企画し一日ゆっくりと会員同士が食事や会話を楽しむ時間がありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により中止となりました。最近では、神戸・新開地に設けられた上方落語の定席・喜楽館を利用した「笑いと交流の集い」を行なっています。総会では、今年も12月27日に行なわれることが提案され、「ぜひ参加したい」と声が上がっていました。


◇体験から伝えたいこと
第二部は、 「悪性胸膜中皮腫と診断されてから(経緯と副反応)」のテーマで、ひょうご支部の会員である荒尾誠也(道路キング)さんから体験談を話していただきました。

荒尾さんは、2021年秋に胸部の痛みと違和感を覚え、痛み止めを服用しても良くならず、病院を受診したところ胸水が溜まっていることを指摘され、検査の結果「悪性胸膜中皮腫」と診断されました。       
「医師からは悪性がんと言われたが、検査を行ない中皮腫という聞いたことが無い病名を告げられた。『ガンでなくて良かった』と思ったが、余命1年と宜告されショックを受けた」と話されました。
検査のために「胸膜生検手術をしたが、新人外科医が担当した影響か、術後に生まれて初めての痛みと苦しみを経験した」と話されました。さらに胸膜生検手術を受けた個所から癌化した腫瘍が肋骨から出て大きくなり始めたそうです。しかしその後、転院を経て現在治療を受けている専門病院にたどり着いたと話されました。荒尾さんのお話しから、専門性の高い医師かどうかの見極めや治療方針など自身が納得いくまで話し合う必要性を感じました。

余命宣告をされ死を覚悟してから、「会社のスタッフや家族に迷惑をかけないように」と、終活の準備を始め、その際の思いが話されました。また、痛みと抗がん剤の副作用に悩まされましたが、「家族の支えがあり乗り越えてきた」と話されていました。コロナ禍での入院期間は面会も制限され心細かったが、お孫さんが仏壇に向かって「じいじをお守り下さい」とお祈りしている動画が送られてきたのを観て、「家族の祈りを免疫力、治癒力に換えて生きると誓った」と話されました。

また、「オプジーボ(化学療法)を始めてから鼻づまりや鼻水が半年以上続き、主治医に伝えたところ花粉症と言われた。しかし院内の耳鼻科で検査をしたところ副反応の可能性があると診断され、オプジーボの副反応と認められた」と経験を話され、「自分の身体の状態を医師にしつかり訴えることで、他の患者さんにとっては鼻づまりや鼻水も副反応として記録される事に繋がる」と経験を話されました。

荒尾さんは、自身の生きる源について「大きい孫から下は3歳の孫がいます。せめて下の孫が中学生になるまでは生きたい」「家族と動ける限り旅を楽しみたい」「趣味の車いじりを続けたい」「日々の笑いを増やしたい」と話されました。

さらに、右田孝雄さんとの出会いが生き方を変えたと話され、「右田氏の意志を継承し、少しでも役に立ちたい。『僕より先に死なないで、私は死ぬまで元気です』をモットーに中皮腫を治せる病気にするために頑張りたい」と結ばれました。
 

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