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中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会

アスベストの病気
最新の治療を学ぶセミナーin小倉

2025/11/27
119日、北九州市立商工貿易会館において、「アスベストの病気最新の治療を学ぶセミナー」を開催しました。九州支部の集いは、いつもは博多駅周辺の会場をお借りし開催していますが、福岡市以外の地での開催は実に6年ぶりでした。
6年前の2019年秋、中皮腫サポートキャラバン隊の皆さんと一緒に、九州キャラバンを取り組みました。その際は、北九州市・佐賀市・長崎市・熊本市・鹿児島市を回り、講演会と交流会を開催し、各地で新たな出会いが生まれ、会の活動も大きく拡がりました。今回は、2019年以来の北九州市・小倉での開催となりました。

今回のセミナーは、昨年12月に福岡市で開催した「アスベストの病気中皮腫の最新治療を学ぶ」が好評で、今年も取り組むことになりました。昨年のセミナーのメインスピーカーは、産業医科大学病院の田中文啓先生と、国立がん研究センター中央病院の吉田達哉先生でした。九州支部の事務局で今年のセミナーの企画を相談した際に、「会員さんも沢山お世話になっている田中先生に今年もお願いしよう」となり、産業医科大学病院がある北九州市での開催が決まりました。今年も中皮腫サポートキャラバン隊の皆さんとの共催で取り組みを行いました。

◇九州各地からの参加者
今回のセミナーも、産業医科大学病院の田中文啓先生にメインスピーチをお願いしました。北九州市周辺の会員さんには肺がんの患者さんも多いため、田中先生には「アスベストの病気―最新の治療について」と題して、講演をお願いしました。また講演の後には、患者さんグループと家族グループに分かれての交流会も企画しました。

10月にはセミナーに向けてチラシを作成し、事前に北九州市内の9か所の病院を回り配布をお願いしました。会員さんからは「産業医科大学病院の入口すぐ横にチラシが置いてあったよ」との連絡も受けました。
当日は体調の関係で欠席される方もおられましたが、24名の参加がありました。10月に胸膜中皮腫と診断された患者さんご夫婦が長崎県から参加されたり、家族会のHPを見て大分から参加された方や、お父様が胸膜中皮腫と診断された方のお嬢さんが長崎から参加されるなど、セミナーに関心を寄せていただき各地からの参加がありました。
また、中学校・高校の同級生で、夏・冬・春の休み期間に、石綿吹付作業のアルバイトをしていたという4名の参加もありました。同級生のうち、すでにお一人は胸膜中皮腫を発症され、労働災害と認められたのですが昨年亡くなられました。参加された4名のうちのお一人は昨年末に肺がんを発症され、現在治療中の方でした。みなさん不安を抱えるなかで、田中先生のお話を聞きに参加されたのでした。

◇中皮腫治療をあきらめない
セミナーは今村さんの司会で始まり、主催者を代表して田上さんより「昨年のセミナーにおいて、田中先生の『中皮腫治療をあきらめない』というお話に感銘を受けました。田中先生は、講演の後のグループワークにも参加していただけますので、お悩みのことや治療に関して、抱えておられる想いをお話しいただき、交流を深めましょう」と挨拶を行いました。

田中先生のお話は、まず「アスベストとは」という点から始まり、アスベストによる健康被害、そして肺がんに対する治療と中皮腫に対する治療のお話がありました。肺がんに関しては、手術用ロボットの支援が行なわれるようになっているお話や、薬物療法とその効果についての仕組みに関するお話があり、「治療の進歩が著しい」と紹介されていました。
中皮腫に関しては、外科治療、放射線治療、薬物治療それぞれについて詳しくお話がありました。専門である外科治療については、手術の術式や方法についての説明があり、手術の適応が困難な方であっても薬物療法を行うことで救済手術を施工されている事例が紹介されました。田中先生から「中皮腫の治療は日進月歩です。治療をあきらめないでください」の言葉に、参加者全員が大いに励まされました。

◇今後の治療薬開発に期待を
セミナーの後半は、患者さんグループと家族さんグループに分かれて交流を行いました。患者さんグループは、中皮腫の患者さんである井俊彦さん(大分)と仁科裕明さん(福岡)が司会を担当し、家族さんグループは、田上さんと今村さんが司会を担当し勧められました。患者さんグループには田中先生も入っていただきました。

患者さんグループでは、「リンパに腫瘍が見つかり、医師からは中皮腫の治療よりリンパの手術を先に勧められている」「オプジーボとヤーボイの薬物療法をおこない目のカスミが出てきたが、打ち続けて大丈夫か」「ベムシュタビンの効果は」「P/D手術をしたが転移が見つかった」「手術後の痛みは」等々の具体的な悩みが出され、患者さんからはご自身の経験が話され、田中先生からも質問に対するアドバイスが行なわれました。
家族さんグループでは、病気を抱える家族への思い、日常の過ごし方、医療機関との関わりが話題となりました。緩和ケア病院を紹介された家族からは不安な思いが語られ、他のご家族からは「元の病院に戻り治療を継続することも可能で、出られないわけではない」との経験が共有されました。また、「今を大切に過ごそうとする気持ちに寄り添いたい」「家族の会に、いつでも相談し話してほしい」といった励ましの声も聞かれました。

グループワークの時間は1時間設けていましたが、お話が弾み時間が足らない状況でした。セミナーの最後に、患者と家族の会の小菅会長と、中皮腫サポートキャラバン隊の片岡事務局長から、それぞれの活動の紹介が行なわれました。また、田中先生からは、免疫学の分野で今年ノーベル賞を受賞された坂口志文先生の研究を紹介しながら、「中皮腫の治療は免疫治療をいかに発展させるかが重要になっており、坂口先生のノーベル賞受賞は今後の治療において期待される。治療をあきらめない」と話された言葉が印象的でした。
 

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