↓メインコンテンツへジャンプ
NPO法人
ひょうご労働安全衛生センター
働く人の生命と健康を守る
セーフティネットワーク
menu
CLOSE×
トップ
私たちについて
センター概要
機関誌紹介
労災職業病
安全衛生の取り組み
中皮腫・アスベスト疾患・
患者と家族の会
リンク集
私たちについて ▼
センター概要
機関誌紹介
労災職業病・安全衛生の取り組み
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
リンク集
労災認定の事例
労災事故・障害補償・審査請求
アスベスト・中皮腫・
肺がん・じん肺
パワハラ・うつ病・精神疾患
過労死・過重労働・脳心臓疾患
腰痛・上肢障害・振動障害
有機溶剤・有害化学物質・
感染症
公務災害
労災・労働相談Q&A
労災認定の事例 ▼
労災事故・障害補償・審査請求
アスベスト・中皮腫・肺がん・じん肺
パワハラ・うつ病・精神疾患
過労死・過重労働・脳心臓疾患
腰痛・上肢障害・振動障害
有機溶剤・有害化学物質・感染症
公務災害
労災・労働相談Q&A
地震・石綿・マスク
支援プロジェクト
入会・お問い合わせ
旧サイト
YouTubeへ
Facebookページへ
X(旧twitter)へ
労災・職業病・労働環境など
お気軽にご相談ください
TEL
078-382-2118
相談無料・秘密厳守
月〜金: 9:00-18:00
お問合せフォームも
ご利用いただけます
YouTube
へ
Facebook
ページへ
X(旧twitter)
へ
トップ
<
労災認定の事例
<
労災事故・障害補償・審査請求記事一覧
< 労災事故・障害補償・審査請求
労災事故・障害補償・審査請求
新型コロナウイルス感染症
罹患後症状後の後遺障害
2026/03/23
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけは、2023年5月8日に「5類」に移行し、新型コロナの感染状況を示すデータは、これまでの「全数把握」から、全国およそ5000の医療機関からの報告をもとに公表する「定点把握」に変わった。この時点での国内における感染者は33,802,739名で、死亡者は74,669名が確認されていた。
厚生労働省は2020年4月28日に「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」を発出した。また、新型コロナウイルスの罹患後症状(後遺症)の取扱いについても、2022年5月12日付で「新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い等について」が発出された。そこには基本的な考え方として、感染性が消失した後であっても、業務により新型コロナウイルスに感染した後の症状があり療養等が必要と認められる場合は、労災保険給付の対象となることが示された。
◆障害等級11級と判断
介護ヘルパーのAさんは、2021年4月30日の勤務終了後に体調が悪化し、医療機関でP CR検査を受けた結果、新型コロナウイルスに感染していることが分かった。自宅で療養していたが、高熱と咳が続くため医療機関に救急搬送され、約1か月間入院することとなった。
退院したものの呼吸苦が続き、在宅酸素療法をおこなうこととなり、外出時には携帯酸素ボンベが必要な状態となった。治療を継続したことにより2022年7月には呼吸苦が改善し酸素療法は中止となった。その後も療養を継続していたが、神戸東労働基準監督署は20 25年3月22日をもって治癒と判断したため、障害補償請求をおこなった。
Aさんは残存する障害について、 「坂道は5分歩くのが限界で、自宅の2階にも手すりを伝って1日に1回しか上がれない。平地はゆっくり歩いても息切れがし、休まずに10分歩くのが限界」と訴え、主治医も「後遺症としてコロナ肺炎後の器質化陰影、左上葉無気肺、間質性肺炎が残る。」と診断した。
その上で監督署は、「請求人からの申し立てもなく、診断書にも記載がないことから残存する障害は呼吸器の障害のみであるものと判断する」とし、呼吸機能の検査結果に基づき障害等級について判断を行った。Aさんは動脈血酸素分圧と動脈血炭素ガス分圧の検査を受け、監督署はその数値に基づき、障害の程度を第11級の9 (系列区分15)と認定した。またAさんはアフターケアの必要性が認められ、手帳が交付された。
◆COVID - 19後症候群と診断
Bさんは特別養護老人ホームにおいて入所者の機能訓練を担当していた。2020年11月末に事業所で新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生したことから、Bさんも濃厚接触者に認定され自宅待機となった。当初は症状がなかったが、発熱と呼吸器症状を発したため PCR検査を実施し、陽性と判明した。
その後、意識レベルの低下が認められたため、医療機関に緊急搬送された。入院中は酸素投与が必要となる呼吸状態の悪化は認められず、10日間で退院し、約2週間の自宅待機を指示された。Bさんは自宅での療養を行っていたが、味覚嗅覚障害と労作時の呼吸困難症状があり、「COVID-19後症候群」と診断されたのであった。
Bさんは2021年2月から職場復帰したが、味覚嗅覚障害と労災時の呼吸困難症状が継続するため、同年4月に専門医を受診したところ再度「新型コロナウイルス後遺症」と診断され、安静加療のため休業を開始した。その後も休業を継続していたが、神戸西労働基準監督署は2024年2月24日をもって治癒と判断したため、障害補償請求をおこなった。
◆併合により障害等級10級と判断
Bさんは残存する障害について、嗅覚障害について「焦げ臭い臭いや料理の臭いが分からない。香水等の強い臭いはかろうじて分かる」、味覚障害について「味党についてはほぼ味がしない。数値で表すと以前は10だったのが現在は1 ~ 3くらい」、神経障害について「仕事に関して重い物を持たないといけない場面があるので、その後頭痛や腕に痛みが出るので困ります」と申立てた。
嗅覚障害について、主治医と労災協力医の意見は、「嗅覚検査(アリナミン静注)無反応」「本事案は嗅覚、味覚共に脱失と判定」とされ、第12級の12(系列13)を準用すべきと判断された。
*アリナミン静注:アリナミン注射液を静脈に注入し、注入開始からニンニク臭を感じ始めるまでの時間と感じなくなるまでの時間を計測するテスト。
味覚障害について、主治医と労災協力医の意見は、「味覚検査(味覚ディスク、全口腔法) 4味覚(甘・塩・苦・酸)各5無反応」「本事案は嗅覚、味覚共に脱失と判定」とされ、第12級を準用(系列13)すべきと判断された。
*テーストディスクによる検査:さまざま な濃度の味をしみ込ませた直径5 mmのろ紙を、舌の前方、後方、左側、右側などにおき、どのような味がするかを調べる方法。
*全口腔法による検査:さまざまな濃度の味の溶液を口腔内に1 ml注入し、口の中全体で味わい、どのような味がするのか調べる方法。
神経障害については、 「頭痛、両上司筋肉痛が存するものであり、動作後に疼痛が顕著になることを勘案すると局部に神経症状を残すもの」と判定され、第14級の9 (系列13)に該当すると判断された。
呼吸器の障害については、動脈血酸素分圧と動脈血炭素ガス分圧の検査とスパイロメトリーの検査を受け、呼吸器の障害が残存すると判定され、第11級の9 (系統15)と判断された。
それぞれの残存している障害について判断が行なわれ、嗅覚障害、味覚障害、神経障害が併合され準用第11級と判断され、更に呼吸器の障害を併合して併合第10級と判断された。
AさんもBさんも、罹患後症状として全身の倦怠感を訴えているが、その点については判断が行なわれなかった。罹患後症状を訴える方は多くは、全身の倦怠感を訴えている。症状固定の判断においては、慎重な対応が求められるのではないだろうか。
※アイコンクリックでデータをご覧ください。
データ1
データ2
データ3
データ4
データ5
データ6
労災・職業病・労働環境など
お気軽にご相談ください
TEL
078-382-2118
相談無料・秘密厳守
月〜金: 9:00-18:00
お問合せフォームも
ご利用いただけます
YouTube
へ
Facebook
ページへ
X(旧twitter)
へ
労災認定の事例
労災事故・障害補償・
審査請求
アスベスト・中皮腫・
肺がん・じん肺
パワハラ・うつ病・
精神疾患
過労死・過重労働・
脳心臓疾患
腰痛・上肢障害・振動障害
有機溶剤・
有害化学物質・感染症
公務災害
労災・労働相談Q&A
▲
page top
厚生労働省は2020年4月28日に「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」を発出した。また、新型コロナウイルスの罹患後症状(後遺症)の取扱いについても、2022年5月12日付で「新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い等について」が発出された。そこには基本的な考え方として、感染性が消失した後であっても、業務により新型コロナウイルスに感染した後の症状があり療養等が必要と認められる場合は、労災保険給付の対象となることが示された。
◆障害等級11級と判断
介護ヘルパーのAさんは、2021年4月30日の勤務終了後に体調が悪化し、医療機関でP CR検査を受けた結果、新型コロナウイルスに感染していることが分かった。自宅で療養していたが、高熱と咳が続くため医療機関に救急搬送され、約1か月間入院することとなった。
退院したものの呼吸苦が続き、在宅酸素療法をおこなうこととなり、外出時には携帯酸素ボンベが必要な状態となった。治療を継続したことにより2022年7月には呼吸苦が改善し酸素療法は中止となった。その後も療養を継続していたが、神戸東労働基準監督署は20 25年3月22日をもって治癒と判断したため、障害補償請求をおこなった。
Aさんは残存する障害について、 「坂道は5分歩くのが限界で、自宅の2階にも手すりを伝って1日に1回しか上がれない。平地はゆっくり歩いても息切れがし、休まずに10分歩くのが限界」と訴え、主治医も「後遺症としてコロナ肺炎後の器質化陰影、左上葉無気肺、間質性肺炎が残る。」と診断した。
その上で監督署は、「請求人からの申し立てもなく、診断書にも記載がないことから残存する障害は呼吸器の障害のみであるものと判断する」とし、呼吸機能の検査結果に基づき障害等級について判断を行った。Aさんは動脈血酸素分圧と動脈血炭素ガス分圧の検査を受け、監督署はその数値に基づき、障害の程度を第11級の9 (系列区分15)と認定した。またAさんはアフターケアの必要性が認められ、手帳が交付された。
◆COVID - 19後症候群と診断
Bさんは特別養護老人ホームにおいて入所者の機能訓練を担当していた。2020年11月末に事業所で新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生したことから、Bさんも濃厚接触者に認定され自宅待機となった。当初は症状がなかったが、発熱と呼吸器症状を発したため PCR検査を実施し、陽性と判明した。
その後、意識レベルの低下が認められたため、医療機関に緊急搬送された。入院中は酸素投与が必要となる呼吸状態の悪化は認められず、10日間で退院し、約2週間の自宅待機を指示された。Bさんは自宅での療養を行っていたが、味覚嗅覚障害と労作時の呼吸困難症状があり、「COVID-19後症候群」と診断されたのであった。
Bさんは2021年2月から職場復帰したが、味覚嗅覚障害と労災時の呼吸困難症状が継続するため、同年4月に専門医を受診したところ再度「新型コロナウイルス後遺症」と診断され、安静加療のため休業を開始した。その後も休業を継続していたが、神戸西労働基準監督署は2024年2月24日をもって治癒と判断したため、障害補償請求をおこなった。
◆併合により障害等級10級と判断
Bさんは残存する障害について、嗅覚障害について「焦げ臭い臭いや料理の臭いが分からない。香水等の強い臭いはかろうじて分かる」、味覚障害について「味党についてはほぼ味がしない。数値で表すと以前は10だったのが現在は1 ~ 3くらい」、神経障害について「仕事に関して重い物を持たないといけない場面があるので、その後頭痛や腕に痛みが出るので困ります」と申立てた。
嗅覚障害について、主治医と労災協力医の意見は、「嗅覚検査(アリナミン静注)無反応」「本事案は嗅覚、味覚共に脱失と判定」とされ、第12級の12(系列13)を準用すべきと判断された。
*アリナミン静注:アリナミン注射液を静脈に注入し、注入開始からニンニク臭を感じ始めるまでの時間と感じなくなるまでの時間を計測するテスト。
味覚障害について、主治医と労災協力医の意見は、「味覚検査(味覚ディスク、全口腔法) 4味覚(甘・塩・苦・酸)各5無反応」「本事案は嗅覚、味覚共に脱失と判定」とされ、第12級を準用(系列13)すべきと判断された。
*テーストディスクによる検査:さまざま な濃度の味をしみ込ませた直径5 mmのろ紙を、舌の前方、後方、左側、右側などにおき、どのような味がするかを調べる方法。
*全口腔法による検査:さまざまな濃度の味の溶液を口腔内に1 ml注入し、口の中全体で味わい、どのような味がするのか調べる方法。
神経障害については、 「頭痛、両上司筋肉痛が存するものであり、動作後に疼痛が顕著になることを勘案すると局部に神経症状を残すもの」と判定され、第14級の9 (系列13)に該当すると判断された。
呼吸器の障害については、動脈血酸素分圧と動脈血炭素ガス分圧の検査とスパイロメトリーの検査を受け、呼吸器の障害が残存すると判定され、第11級の9 (系統15)と判断された。
それぞれの残存している障害について判断が行なわれ、嗅覚障害、味覚障害、神経障害が併合され準用第11級と判断され、更に呼吸器の障害を併合して併合第10級と判断された。
AさんもBさんも、罹患後症状として全身の倦怠感を訴えているが、その点については判断が行なわれなかった。罹患後症状を訴える方は多くは、全身の倦怠感を訴えている。症状固定の判断においては、慎重な対応が求められるのではないだろうか。