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公務災害 新型コロナウイルス感染症の労災補償の取扱

2020/05/10
 地方公務員の災害補償を取り扱う地方公務員災害補償基金は、2020年5月1日付けで、「新型コロナウイルス感染症の公務災害認定における取扱いについて」と題する文章を発出しまいた。その内容は、以下のとおりです。

1.公務災害の認定について
本感染症については、従来からの公務起因性の考え方に基づき、地方公務員災害補償法施行規則別表(以下「別表」という。)第1第6号の1又は5に該当するものについては、公務上の災害として認定することとなるが、本感染症の現時点における感染状況と、症状がなくとも感染を拡大させるリスクがあるという本感染症の特性にかんがみた適切な対応が必要となる。
このため、当分の間、別表第1第6号の5の運用については、調査により感染経路が特定されなくとも、公務により感染した蓋然性が高く、公務に起因したものと認められる場合には、これに該当するものとして、公務上の災害として取り扱うこと。
 
2.具体的な取扱いについて
(1)国内の場合
ア 医療従事者等
患者の診療若しくは看護の業務、介護の業務又は研究その他の目的で病原体を取り扱う業務に従事する医師、看護師、介護従事者、救急隊員等が新型コロナウイルスに感染した場合には、公務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として公務上の災害となること。
イ 医療従事者等以外の職員であって感染経路が特定されたもの
感染源が公務に内在していたことが明らかに認められる場合には、公務上の災害となること。
ウ 医療従事者等以外の職員であって上記イ以外のもの
調査により感染経路が特定されない場合であっても、感染リスクが相対的に高いと考えられる次のような環境下での公務に従事していた職員が感染したときには、公務により感染した蓋然性が高く、公務に起因したものと認められるか否かを、個々の事案に即して適切に判断すること。
この際、新型コロナウイルスの潜伏期間内の公務従事状況、一般生活状況
等を調査した上で、医学専門家の意見も踏まえて判断すること。
(ア)複数(請求者を含む)の感染者が確認された環境下での公務
(イ)住民等との近接や接触の機会が多い環境下での公務
(2)国外の場合
海外出張職員については、出張先国が多数の本感染症の発生国であるとして、明らかに高い感染リスクを有すると客観的に認められる場合には、出張業務に内在する危険が具現化したものか否かを、個々の事案に即して判断すること。
海外派遣職員については、国内の職員に準じて判断すること
 
3.認定請求に係る相談等の取扱いについて
(1)本件に係る相談等があった場合には、上記1の考え方に基づき、上記2の具体的な取扱い等を懇切丁寧に説明するとともに、公務上の災害となるか否かの判断は、請求書が提出された後に行うものであることを併せて説明すること。
なお、請求書の提出があった場合には、迅速・適正な処理を行うこと。
(2)本件に係る請求があった場合には、令和2年3月26日付け事務連絡のとおり、速やかに当職に報告するとともに、当該請求に対して公務上・外の認定を行う際には、当分の間、当職に連絡すること。