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労災職業病・安全衛生の取り組み
長時間労働をなくすために セミナーを開催
2016/11/20
◆労働安全衛生セミナーを開催
10
月
24
日、神戸市勤労会館において、
NPO
法人ひょうご労働安全衛生センターは第
8
回労働安全衛生セミナーを開催しました。社労士事務所アジール代表である高龍弘氏から「長時間労働をなくすために―法令と判例から考える―」をテーマに講演が行われ、
20
人が参加しました。
◆社会保険労務士の日常業務
はじめに、社労士の日常業務は、①労働社会保険手続、②労務管理、③給与計算業務等が主な業務であることを説明されました。多くの企業では、従業員の入社に伴い労働社会保険の加入手続が行われ、家族の移動(結婚・出産・死亡・家族の就職)などについても必要な手続きを行い、労災が起きた場合でも適切に処理が行われています。
しかし、「労働基準法(以下、労基法)を守っていたら会社が潰れる」、「社会保険に加入すると、手取りが減るから従業員が辞めてしまう」といった偏った考えを持っている経営者もいるため、適切な労働社会保険の手続が行われず、労務管理も十分に行われていない現状について問題が提起されました。
◆労働法上の労働時間の定義と賃金
昨今、長時間労働が問題になっていますが、労使ともに「労働時間」の定義を正確に理解していないと指摘されました。労基法第
9
条のいう労働とは使用者の指揮命令を得て働くこととされていることから「働く者=労働者」となるのですが、労基法には労働時間を定義した条文が存在しません。
また、営業職の外回りの時間や、無断の居残り残業、自宅での書類作成など、一見すると使用者の指揮命令が明確ではないと思われる場合に、使用者は労働時間ではないと主張することが多いことを挙げられました。
しかし、最高裁判決において、「労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるものではない」とされていると解説されました。
さらに、多くの判例では、使用者の「仕事ではなく待ち時間や休憩時間である」、「労働者が勝手に居残って残業した」などの主張も、「黙示の業務命令があった」とされていることを説明し、すなわち、休憩時間を除いた拘束時間はすべて労働時間に該当すると説明されました。
◆労働時間と賃金
参考資料の就業規則、労働条件通知書、年間カレンダー、タイムカード、勤怠集計表等を事例に挙げながら、法定の労働時間(労基法第
32
条)、休憩(同法第
34
条)、休日(同法第
35
条)、時間外及び休日の労働(同法第
36
条)等の説明があり、労働時間の理解を深めることができました。
労基法第
11
条において、賃金とは「名称の如何を問わず、使用者が労働の対償として労働者に支払うすべてのもの」とされていることを挙げられ、先に触れた労働時間の定義と重ねると、つまり賃金とは、拘束される「労働時間」の対価であって、賃金の計算は、労働時間の計算に他ならないと言及しました。
今後、給与明細を見る際は、正確な労働時間に基づく賃金や諸手当が計算されているかを十分に確認するように促されました。
◆労働時間と脳心臓疾患
労基法が制定された
1947
年当初から
1960
年頃までは、ほとんど職業病の対策が取り組まれていませんでしたが、
1960
年頃から公害や産業災害が発生し始め、当時の労働省が職業病の対策に取り組み始めました。
1978
年に医師が学会で初めて「過労死」という言葉を使い、過労死の存在が世に知らされ社会問題となりました。
現在、労基法では原則として
1
日
8
時間、週
40
時間の法定労働を超える労働は禁止されていますが、周知のとおり使用者は労働者の過半数の代表者との協定(通称
36
協定)があれば、割増賃金を支払い法令の労働時間を超えて就労させることができ、
36
協定に関しては、「労働時間の延長の限度等に関する基準(労働省告知)」で、
1
週間
15
時間、
1
ヵ月
45
時間、
1
年間
360
時間等の上限時間が設けられていますが、この上限を取り除くいわゆる特別条項が存在していることを述べられました。
ただし、特別条項では過労死ラインと呼ばれる「月
80
時間」を超える時間を上限時間として定めることが可能であるため、過重労働を招いていると苦言を呈しました。
過重労働から引き起こされる心臓疾患の労災認定基準は、
2001
年
12
月の改正でようやく労働時間が認定基準に盛り込まれましたが、現在の認定基準を勝ち取るまでに実に多くの労働者が長時間労働の犠牲となり、家族らが長く厳しい裁判を勝ち抜き、司法が立法を動かしてきたという「権利のための闘争」の歴史があったことが語られました。
◆脱時間給制度導入への動き
現政権の安倍内閣は働き方改革実現推進室を設置して、「長時間労働を否定し、常に働き手の視点に立つ」としています。しかし、安倍内閣は労働時間の削減の趣旨に反するホワイトカラーエグゼンプションの導入を目指している上、経団連会長は「残業時間の上限規制は労働者の保護と事業活動の維持の両面の観点から識論する必要がある」としており、新聞調査によると、経営者は裁量労働制の拡大、テレワークの促進、脱時間給制度等導入を目指しているとされています。
つまり経営者側は、賃金増につながる労働時間と残業に関する制限を撤廃し、労働時間の管理の必要性をなくそうとしていると総括しました。
これらの労働法の改悪につながる暴挙から自身の身を守るためには、組合活動等を通じて仲間を増やし、使用者に対し交渉力を持つために学習し、理論武装することが重要であることを提起されました。
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10月24日、神戸市勤労会館において、NPO法人ひょうご労働安全衛生センターは第8回労働安全衛生セミナーを開催しました。社労士事務所アジール代表である高龍弘氏から「長時間労働をなくすために―法令と判例から考える―」をテーマに講演が行われ、20人が参加しました。
◆社会保険労務士の日常業務
はじめに、社労士の日常業務は、①労働社会保険手続、②労務管理、③給与計算業務等が主な業務であることを説明されました。多くの企業では、従業員の入社に伴い労働社会保険の加入手続が行われ、家族の移動(結婚・出産・死亡・家族の就職)などについても必要な手続きを行い、労災が起きた場合でも適切に処理が行われています。
しかし、「労働基準法(以下、労基法)を守っていたら会社が潰れる」、「社会保険に加入すると、手取りが減るから従業員が辞めてしまう」といった偏った考えを持っている経営者もいるため、適切な労働社会保険の手続が行われず、労務管理も十分に行われていない現状について問題が提起されました。
◆労働法上の労働時間の定義と賃金
昨今、長時間労働が問題になっていますが、労使ともに「労働時間」の定義を正確に理解していないと指摘されました。労基法第9条のいう労働とは使用者の指揮命令を得て働くこととされていることから「働く者=労働者」となるのですが、労基法には労働時間を定義した条文が存在しません。
また、営業職の外回りの時間や、無断の居残り残業、自宅での書類作成など、一見すると使用者の指揮命令が明確ではないと思われる場合に、使用者は労働時間ではないと主張することが多いことを挙げられました。
しかし、最高裁判決において、「労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるものではない」とされていると解説されました。
さらに、多くの判例では、使用者の「仕事ではなく待ち時間や休憩時間である」、「労働者が勝手に居残って残業した」などの主張も、「黙示の業務命令があった」とされていることを説明し、すなわち、休憩時間を除いた拘束時間はすべて労働時間に該当すると説明されました。
◆労働時間と賃金
参考資料の就業規則、労働条件通知書、年間カレンダー、タイムカード、勤怠集計表等を事例に挙げながら、法定の労働時間(労基法第32条)、休憩(同法第34条)、休日(同法第35条)、時間外及び休日の労働(同法第36条)等の説明があり、労働時間の理解を深めることができました。
労基法第11条において、賃金とは「名称の如何を問わず、使用者が労働の対償として労働者に支払うすべてのもの」とされていることを挙げられ、先に触れた労働時間の定義と重ねると、つまり賃金とは、拘束される「労働時間」の対価であって、賃金の計算は、労働時間の計算に他ならないと言及しました。
今後、給与明細を見る際は、正確な労働時間に基づく賃金や諸手当が計算されているかを十分に確認するように促されました。
◆労働時間と脳心臓疾患
労基法が制定された1947年当初から1960年頃までは、ほとんど職業病の対策が取り組まれていませんでしたが、1960年頃から公害や産業災害が発生し始め、当時の労働省が職業病の対策に取り組み始めました。1978年に医師が学会で初めて「過労死」という言葉を使い、過労死の存在が世に知らされ社会問題となりました。
現在、労基法では原則として1日8時間、週40時間の法定労働を超える労働は禁止されていますが、周知のとおり使用者は労働者の過半数の代表者との協定(通称36協定)があれば、割増賃金を支払い法令の労働時間を超えて就労させることができ、36協定に関しては、「労働時間の延長の限度等に関する基準(労働省告知)」で、1週間15時間、1ヵ月45時間、1年間360時間等の上限時間が設けられていますが、この上限を取り除くいわゆる特別条項が存在していることを述べられました。
ただし、特別条項では過労死ラインと呼ばれる「月80時間」を超える時間を上限時間として定めることが可能であるため、過重労働を招いていると苦言を呈しました。
過重労働から引き起こされる心臓疾患の労災認定基準は、2001年12月の改正でようやく労働時間が認定基準に盛り込まれましたが、現在の認定基準を勝ち取るまでに実に多くの労働者が長時間労働の犠牲となり、家族らが長く厳しい裁判を勝ち抜き、司法が立法を動かしてきたという「権利のための闘争」の歴史があったことが語られました。
◆脱時間給制度導入への動き
現政権の安倍内閣は働き方改革実現推進室を設置して、「長時間労働を否定し、常に働き手の視点に立つ」としています。しかし、安倍内閣は労働時間の削減の趣旨に反するホワイトカラーエグゼンプションの導入を目指している上、経団連会長は「残業時間の上限規制は労働者の保護と事業活動の維持の両面の観点から識論する必要がある」としており、新聞調査によると、経営者は裁量労働制の拡大、テレワークの促進、脱時間給制度等導入を目指しているとされています。
つまり経営者側は、賃金増につながる労働時間と残業に関する制限を撤廃し、労働時間の管理の必要性をなくそうとしていると総括しました。
これらの労働法の改悪につながる暴挙から自身の身を守るためには、組合活動等を通じて仲間を増やし、使用者に対し交渉力を持つために学習し、理論武装することが重要であることを提起されました。