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第16回通常総会を開催 
惨事ストレスをテーマに記念講演を実施

2021/06/25
5月29日、NPO法人ひょうご労働安全衛生センターの第16回通常総会を開催した。
新型コロナウイルスの感染拡大により、兵庫県への緊急事態宣言が5月末まで延長されることとなったため、書面表決により議案を議決することとし、当日の総会はウェブで視聴できるようにした。総会は、前半が書面表決の報告及び採決、後半が記念講演という二部構成で行った。


第1部総会は、代表の小西理事長のあいさつの後、ユニオンあしやの森口さんを議長に選出し、書面表決の報告が行われた。
書面表決の結果、すべての議案が賛成多数で採択された。

第2部の記念講演は、東京医科歯科大学大学院看護学科の菅原千賀子さんを講師に、「被災地支援者の心のケアについて考える」をテーマに行った。
菅原さんは、東日本大震災直後から気仙沼市に入り、被災者及び自治体職員等の支援活動に取り組んで来られた。3.11の後は、相談員として福島原発で働く労働者の調査や、自治体労働者・消防職員などの心のケアに取り組み、被災地の支援を継続している。特に震災後、5年、8年、9年の節目では被災市職員にインタビューを実施されている。

菅原さんは東日本大震災における自治体職員の血圧の変化に着目し、震災直後に調査を実施された。「3月と12月に実施した調査では、震災の直後よりも9か月経過した時点の方が血圧値が上昇しており、特に、中高年男性に上昇者が多かった。震災対応業務が継続している特性も踏まえ、看護職者が職場に出向き長期的な支援を行う必要があり、災害急性期は適切な健康行動が困難になるため、自治体職員を対象とした仮設診療所を設置し、健康相談やスクリーニングなどの支援を行うことが有効である。」と述べられた。

また、「東日本大震災の被災地職員の体験の語りから、彼らが『仕事を通して生きる』『人とのつながりの中で生きる』『街と共に生きる』の3つが交わる世界観の中で様々な葛藤や苦悩を抱えながら生きてきたことが推察された。東日本大震災における被災地の復興業務はまだつづいており、今になって顕著になる苦悩や懸念される健康問題の存在も明らかとなった。」と述べられた。
更に今後の課題としては、被災地自治体職員への支援は長期的なものが求められ、その体制づくりが急務であると訴えられた。

被災地自治体職員は自身が被災者であるにも関わらず、自身の事は後回しに懸命に職務をこなす実態があることを考えさせられた。今後の災害対策について考えていかなければならない課題である。


 

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