NPO法人 ひょうご労働安全衛生センター

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アスベスト被害者救済基金 NPO法人へ移行

2017/01/20
◆アスベスト救済基金の活動

20056月、尼崎市の旧クボタ神崎丁場の周辺に居住していた人々が、アスベストによる健康被害を被っていたことが発覚しました。この「クボタショック」を機に、アスベストによる健康被害者の存在が顕在化するとともに、被害者・家族が声を上げることによって補償・救済制度も整備されてきました。

兵庫県内においては、ひょうご労働安全衛生センターや中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会などが中心となり、被害者や家族から相談を受け、労災補償の取り組みや支援が行われてきました。こうした取り組みの中で、20068月に「アスベスト被害者救済基金」が設立され、被害者の補償・救済を求める動きを支援する活動が開始されました。

兵庫県内では、被害者団体として20069月に「造船・鉄鋼アスベスト被害者の会」が、200710月に「旧国鉄におけるアスベスト被害者を支援する会」が、20129月には「港湾アスベスト被害者の会」が次々と結成され、アスベスト被害者救済基金はこうした被害者団体を支援する活動も行ってきました。

また、石綿肺がんの労災不支給処分の取り消しを求め、認定基準の見直しを迫る5件の行政訴訟や、企業への損害賠償を求める裁判についても支援を行ってきました。さらに兵庫県内では、阪神・淡路大震災により倒壊した建物の解体や撤去作業に従事した労働者が、吸引したアスベストにより悪性中皮腫を発症し労災認定される事例が増えています。地震大国であるこの国においてはいつどこで大地震が発生してもおかしくなく、アスベストを含んだ建築物の解体時期も迎えているだけに、平常時にアスベストを安全に除去・撤去することが求められています。そのため、アスベスト被害者救済基金は、「地震・石綿・マスク支援プロジェクト」の取り組みを2009年より毎年支援してきました。

こうした活動を充実させ、さらにアスベスト被害者の掘り起こしと、アスベスト疾患の予防と根絶に向けて、NPOとしての法人格取得を目指すことになりました。


◆NPO法人として活動をスタート

20169月にNPO法人設立申請書を神戸市に提出し、114日にはNPO法人としての認証を受けました。そして、1218日に設立総会が開催されました。

神戸市勤労会館で行われた設立総会には、アスベスト被害者ら40名の出席がありました。来賓として、大阪・泉南アスベスト国賠訴訟において国の責任を認める最高裁判決を勝ち取った伊藤明子弁護士(大阪アスベスト弁護団)と、アスベスト肺がんの労災認定を求める訴訟など多くの訴訟にご協力いただいている位田浩弁護士(アスベスト訴訟関西弁護団)にご参加いただき、お二人から激励のご挨拶をいただきました。

総会では、設立までの経過が報告され、活動方針と予算案そして役員体制が提案されました。活動方針としては、①健康被害に関する相談事業、②予防活動及びアスベスト被害者への支援活動を行っている団体への協カ・援助事業、③アスベスト健康被害に関する調査・研究事業、④アスベストに関する研修の事業、⑤情報提供事業の五つの事業を取り組み事が承認されました。


◆神奈川における闘いの歴史に学ぶ

総会の第2部は、神奈川県で活動されている「じん肺・アスベスト被害者救済基金」の理事である早川寛氏を招き、講演会が行われました。

早川氏は、準備された絵巻物の様な講演資料を元に、神奈川県を中心としたアスベスト被害者の救済の取り組みと活動の歴史について報告されました。1970年代の神奈川労災職業病センターと港町診療所の設立の経緯とじん肺被災者の会の結成から始まり、1980年代後半から取り組まれた全造船住友重機浦賀分会の石綿裁判や米軍基地退職者のアスベスト裁判について紹介されました。

これらの取り組みを通じて「じん肺・アスベスト被災者救済基金」が設立された経過や、アスベスト問題を取り巻く全国情勢と関連づけながら神奈川で行ってきた活動が紹介されました。さらに、アスベストユニオンの結成(200612月)や旧国鉄におけるアスベスト被害者の補償を求める裁判、旧朝日石綿住民被害者の会の結成、沖縄・基地退職者のアスベスト被害についての取り組みも報告されました。約30年に渡る神奈川での活動が紹介され、日本におけるアスベスト被害者の補償救済を求める運動を改めて学び直す良い機会となりました。

神奈川の「基金」では、毎年夏期にアスベストホットラインを取り組んでいます。昨年も2日間で34件の相談が寄せられています。今後は神奈川と連携し、アスベストホットラインの実施を検討し、被害者の救済に全力を上げて行きたいと考えています。
「基金」の活動へのご協力をお願いすると共に、入会をお願いします。

 

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