NPO法人 ひょうご労働安全衛生センター

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アスベスト・中皮腫・肺がん・じん肺

NPO法人アスベスト被害者救済基金が総会を開催

2021/11/22
1030日(土)、兵庫区文化センターにおいて、NPO法人アスベスト被害者救済基金第6回通常総会が開催された。

はじめに神田雅之理事長が挨拶をされ、「2020年度の中皮腫による死亡者数は1,600人を超え過去最多となり、アスベストによる被害はまだまだ増加傾向にある」と話された。また、今後も建物解体作業におけるアスベストの飛散等の問題があり、アスベストの危険性を広く周知することが求められ、被害者の掘り起こしと支援活動の推進の必要性について述べられた。総会では、議案が提案され、全て承認された。

総会の第2部は、アスベスト訴訟関西弁護団の吉田浩司弁護士から、「神戸港におけるアスベスト被害と裁判の取り組み」と題して記念講演が行われた。

アスベスト裁判の種類を、企業に対する損害賠償請求訴訟、国に対する損害賠償請求訴訟、労災取消訴訟(行政訴訟)に分類し、それぞれの裁判の特徴を説明された。

神戸港での石綿被害の状況について、石綿が使用禁止となるまで海外から多量の石綿が輸入され、神戸港にも多くの石綿が運ばれたことから、港湾で荷積みや荷下ろし作業の際には、石綿袋から石綿がこぼれ落ちる等して、石綿にばく露する状況にあったと説明された。

神戸港における裁判として、①労使交渉、②集団調停とその後、③登録日雇港湾労働者の訴訟に分類し説明された。労使交渉では、じん肺対策を求め労働組合と企業の交渉が行われ、石綿補償規定が創設された。平成24年から弁護士を通じた調停・交渉・訴訟が行われ、登録日雇労働者訴訟では現在も進行中の訴訟について報告された。港湾におけるアスベスト被害の交渉や裁判において、被災者の作業内容、作業期間、作業頻度、雇用先等の情報が非常に重要となるため、詳細に聴く必要があると述べられた。

海外からの石綿の輸入量と時期、そして石綿関連疾患の潜伏期間からすれば、被害はこれからも続くことが考えられる。アスベスト被害者救済基金は、フリーダイヤルを開設し、日常的な相談対応を行なっている。健康被害に関する相談は、下記の番号に連絡をされたい。

0120ー349-931 (ミナ シキュウ キュウサイ)